2010/01/28

GPS携帯はちょっと…遺失物との感動の出合い!!

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

モノを落とすことにかけては人後に落ちない。自信がある。つい先日も携帯電話を失くして、周囲の方々に少なからぬご迷惑をかけてしまった。

新年会の会場で帰りのタクシーを呼んだのだから、その先なのは絶対間違いない!もちろんその中には、社内も自宅も含まれる。

翌朝、釈然としない思いを抱きつつ、古手の社員ともども長崎市内の民放局へ。なければなくて済むものかも知れないが、何となく手持ち無沙汰だ。

たまりかねて社員の携帯を拝借。自宅や会社など所かまわず確認の電話を入れるが、いずれも「見つかりません」の一言。何だかこの世で一人だけ〃置いてけぼり〃をくっているような寂寥感さえ湧いてくるから不思議だ。

案の定と言うべきか、昼食を摂っている最中に自宅から電話があった。「コンビニ(途中で立ち寄った)で見つかったそうです!」。間に立った社員の報告で「一件落着」を知った。

これは「引かれ者の小歌」の類いかも知れないが、筆者のように頻繁にモノを失くす人間は、ある意味「幸せ者」である!?ただし、「見つかりさえすれば」という条件の下で。

多分これは「遺失」の経験がある者でなければ分からない感覚だろう。出てこなくても当然な物が出てくる。どういうわけか「トクした気分」になるのだ。

もとよりバカバカしい話であることは十分に承知しているが、落胆したり、忘れかけたりしているところにもたらされる吉報!当事者にとっては「無上の喜び」と化す。

しかし、だからと言って無闇矢鱈にそうした騒ぎを起こすべきではない。重ねて言うが、そのあたりの「さじ加減」は十分にわきまえているつもりだ。

ただ当方とて、その「喜び」に浸ろうとする余りにモノを失くしているわけではない。これはあくまでも「偶然の所産」であって、見つかること自体が「相当な僥倖」なのである。

ならば、どうするか?遺失物(携帯)が見つかる確率を高めるための「具体策」を見つけ出さなければ!そんな思いでITに詳しい社員に、「あるアイデア」を自信を持ってぶつけた。

〈電話番号の末尾にある記号を押すと『ここにいるよ!』とか『助けて!』とかいった緊急音声を発するような機能を付ければ、重宝がる人も多いのではなかろうか?〉

結果から言うと、一笑にふされてしまった。〈そんな機能なんかもうとっくにあります。GPSを使えば、通話者やケータイが今どこに居るのか即座に判明しますよ!〉

その時の心境を述べれば「へーそっ。チェ!」といったところだが、むしろそのGPSという装置そのものに末恐ろしさを感じた。やっぱ今の電話をなるべく失くさないように、大切に使おう、と!