先輩にお叱り受ける…でも、運よく「助け舟」が
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
「最近のお前のコラムはつまらん。まるで個人の『ブログ』じゃないか。『社会性』がない」。先般、某所で開かれた宴席で、親愛なるM先輩から手厳しいお叱りの言葉を頂戴した。
「ならば!」と思ってパソコンに向かう。が、しかし、ショックのあまり先に進めない。ちょうどその時、図ったかのように、福岡在住のU先輩から「助け舟」が差し向けられた。立ち直るまでにはまだ当分時間がかかりそうなので、ちゃっかり「その舟」に乗せてもらうことにする。
以下は先に開催された蒼竜寺住職(第41代貫主)、公方俊良(くぼう・しゅんりょう)師の講演要旨。演題は「混迷を打破するリーダーの着眼点」。
(1)
禅で言う公案とは、いわゆる禅問答で言えば「なぞなぞ」。その公案則から、混迷期の経営リーダーが持つべき着眼点を引き出したい。
まず公案則1。臨済宗中興の祖である白隠慧鶴和尚の「隻手の音声(おんじょう)」…「両手相打てば音声あり。隻手に何の音声やある?」。白隠和尚は弟子に言う「両手を打てば音がする。では片手の音はどんな音か聞いて来い」。
それに対して弟子が考えて答えるのだが、この答えを生み出すには、普通の人で3年かかる。「人生をどう生きるか」それを究明していくのがこの公案だからである。
即ち、片手とは自己を指し、両手を打つとは自己と対象が一体になること、つまり全体を指す。全体の自己を見つめ、自己が全体にどう関わるかを知るのがこの公案の答えとなるのである。
今、世界は同時不況の渦中にある。企業は売上が上がらないし、利益も出ない、全く打つ手がない。多くの企業も右往左往し、不安に駆られている。
それは企業という個に捉われ過ぎて、社会全体を見ていないからではないか?経営を行うには、社会(≒自社のマーケット)の全体を眺め、自社はどうするかという、個を究めていくことが肝心なのだ。
私が開発した現状要因を示す数式は、「6K×3S=Y」というもの。6つのKとは、1.海外経済の減速 2.為替(円高) 3.株安 4.雇用不安 5.貸し渋り 6.価格下落など。
3Sとは、1.設備投資意欲の低下 2.消費低迷 3.信用(収縮)など。そしてYとは「揺らぎとカオス(混沌)」という意味である。これらが改善されれば、景気は回復すると考えている。
3Sの中で、自社で出来るものが1つだけある。それは3.信用の構築。顧客の信頼を裏切らず、顧客との絆を深め、ファンを構築していけば、やがて景気が好転して来た時に、自社の発展が期待できるのである。
これが経済全体における個を捉え、自社という個を見据え、そして全体に働きかけていくという、「隻手の音声」を極めることになるのである。-つづく-
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