公方俊良師の講演(3)…混迷を打破するリーダーの着眼点
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
県知事選挙が4日、告示された。候補者は駆け込み組を入れて7人。激戦である。12年前の同選の投開票日にはたまたま仙台に出張していて、かの地で金子候補の当選を知った。おぼろげながら、その日は「ネコの日」(2月22日)ではなかったか、と記憶している。
日本の現行制度では「政教分離」は大原則である。一方で、「政」と「経」の関係となると、そうそう簡単に切り離すことには無理がある。言わば、「不即不離」の間柄だ。現時点でどなたが当選なさるのか知る由もないが、どうか、この不景気風を一掃してくれるような「政治手腕」の持ち主であってほしい。
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3.は市場的対応だ。これは「マネー・フォー・バリュー」(割安感)を出すことが最大のポイントとなる。ユニクロがその例。見事に若者のニーズを掴んでいる。今、若者の3分の1が非正規雇用。賃金は低いし、将来は不安…。ブランド物なんか追っかけていられないから(ユニクロの経営は)堅実なのだ。安物を格好よく着こなす「チープ・シック」が、今や若者の主流になっている。
4.は異質分野の取り込みである。本業だけでは難しい時代。異質分野を取り込んで、それをいかにコラボレーションするか、それによって他社の追随を許さない独自の面白さを出すことが可能になる。その好例が任天堂だ。同社の秘訣は何か?ゲーム機はもともと自分一人で楽しむものだったが、同社の場合、友達や家族とともに楽しむものにしてしまった!
即ち、ゲーム機にスポーツなどの健康分野、漢字、英語の検定を取り入れ、多くの異質分野の取り込みを図った。友達や家族全員で楽しめる―こういう「楽しさ」を打ち出して、「独り勝ち」している。以上のような手法を展開すると、不況期」を乗り越えられるかも知れない。但し、また好況期が戻れば、手法をさっと「集中と選択」に切り替えることである。
公案第3則は済法寺の物外和尚の話。安芸・三原(浅野)候が新しく描かせた掛け軸の絵を見て烈火のごとく怒る。一羽の雁が描かれていたからだ。「雁は群れをなして飛ぶもの。一羽の雁とは謀反の兆しである!」。絵師も家臣も困り果てる。そこへ来た和尚が、「よし、わしが賛を書いてやろう」と筆を執りさらさら。「初雁や また後からも 後からも」と。
「なるほど初雁とは、誠にめでたい」と三原候。絵は床の間に飾られたという。経営でも同じ。店の客は一人だけ、不景気だ、大変だと嘆くのではなく「一人のお客が来て下さった要因はなんだろうか?」と分析してみること。また、「この不景気の中、一人でも来て下さってありがたい」と喜ぶことである。このように対応していけば、お客様は感激する。 -つづく-
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