2010/02/17

これってデジャ・ビュ?…朝青龍と国母選手の共通点

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

「コクボ」「コクボ」とテレビで言うから、てっきりソフトバンクの小久保選手(元巨人軍)のことかと思っていたら、何のことはない、スノーボードのオリンピック代表選手、国母和宏選手のことだった。

すでに服装の乱れが問題となって何度も画面を賑わせているので、食傷気味の方も多いだろうが、我が国に初めてスノーボードを持ち込んだ人間が友人なので、ほんの少しだけ言わせてほしい。

その友人は筆者より10歳ほど年下で、在京のマスメディアに籍を置いている。氏の話によれば、スノーボードとの出合いは「自堕落な生活」を送っていた学生時代のこと。現在、冬季オリンピックが開催されている「カナダ」から仕入れてきたのだ、という。

その後どういった経緯で競技人口が広がっていたのか全くもって不明だが、元々は自由を満喫したい!と願う、若者独特の「冒険心」&「遊び心」から生まれてきたことだけは間違いない。

「日本人は何でも『道』をつけたがる民族である」とよく言われる。曰く「剣道」「柔道」「茶道」「華道」…などといった具合に。とすれば、スノーボードにも「道」をつけて「スノーボード道」というのがあるのだろうか?まさか!

今回の国母選手の問題は、誠に勝手な想像ながら、「相撲道」の本筋から大きく逸脱してしまった前横綱、朝青龍の場合と良く似ている。現役最後の場所でも優勝するくらいだから、土俵上での力量はまだまだ抜群だったはず。

一方、国母選手に話を戻せば、こちらも昨年のユニバーシアードで優勝しているのだから、「実力」の程は折紙つき。恐らく、今オリンピックでもメダルの有力候補の一人だろう。

二人に共通しているのは「場外」でのハチャメチャぶり。国母選手はシャツの裾をズボンの中に入れないとか、ネクタイの結び目がだらしないとかで批判されたが、決定的だったのは、「チッ!」という舌打ちが露見した謝罪会見でのふてくされた態度。

その様子をテレビで観ながら、ふと筆者の脳裏に「既視感」(デジャ・ビュ)という言葉が浮かんできた。本来的には「一度も経験したことがないのに、すでにどこかで経験したことがあるように感じること」(大辞林)という意味だが、実は似たような光景に出くわしたことがあるのだ。

髪型といい、ひげ面といい、「瓜二つ」といっても過言ではない。筆者が6、7年前まで親身になって面倒を見ていた若者の話だ。根はやさしくて善い人間なのだが、どこか素直になれないまま、多くの問題を残して去って行った。

今頃どこで何をしているのか知る由もないが、国母選手には是非この機会に改悛して、早く立派な大人になってほしい。朝青龍にかける言葉は持ち併せていない。