無事こなした初仲人!…「初市」は三寒四温の中で
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
伝統の「島原初市」(霊丘公園会場)が3日、開幕した。10日まで。この催しを経てはじめて、城下町シマバラに本格的な「春」がやって来る。
例年のことだが、期間中はいつも天気が悪い。季節の変わり目なので仕方のないことかも知れないが、やはり「初市」にも「雨」より「お日様」の方が良く似合う。
「三寒四温」(さんかんしおん)とは、この季節独特の気温の移り変わりを表す言葉だが、そのお説の通りに、このところ「冬日」と「春日」が交互に訪れている感じだ。
それにしても、「正確無比」とも言うべき自然のメカニズムには畏れ入る。「肌感覚」で言うとまだまだ「冬」なのに、庭の杏の老木は早くも淡いピンクの花びらを咲かせ始めた。
一方、冬枯れ状態だった山椒の枝からは濃い緑色の芽が一斉に吹き出し始めているし、市内あちこちで見かける木蓮の花は今や満開である。
そんな季節の移ろいに目が向いてくるのも、筆者自身が年をとった証拠であろう。逆を言えば、若い頃には「花」や「草木」、ましてや結婚式の「仲人」なんぞに一切興味はなかった。
ところが、どうだろう…。老眼鏡をかける年齢になって、やっとこさ「金銭」や「地位」「勢い」だけでは測れない「物事の価値観」が少しは分かるようになってきたつもりだ。
先日、生まれて初めて「仲人」という役割を仰せつかった。しかも、2日間連続で!振り返ってみると、通常これまでの祝辞では味わえなかった「重圧」を感じたのも事実である。
それは「喋れる」とか「喋れない」とかいった類いのものではなく、「言葉」、いや「立場」の重みと言ってもよい。
当然ながら、披露宴に先立って行われた式にも参列させていただいたのだが、必要以上に緊張しているのが良く分かったし、「乾杯」の音頭もやや上ずっていたように思う。
ただ、「救い」だったのは通常の「礼服」(洋装)でなく「袴姿」(着物)でその場に臨んだこと。何せ、名にしおう典型的な日本人の体型である。もう、着付けの段階からスタッフ皆さんの信頼の厚さ(?)は抜群だった。
普段は滅多に立つことのない「姿見」に映し出される「裸の大将」のような己がスタイルをしみじみと眺めては、紛れもない旧式日本人であることをいやが上にも納得。同時に、歳月の残酷さを呪った。
続いて、機械仕掛けの人形のように白足袋を履き、出っ張った上腹の回りを幾重にも帯で縛られた。正直、息苦しい感じもしたが、改めて仕上がり具合を確認したら、なかなか良い出来ではないか!?
そうして臨んだ2回の本番。大過なく役目を果たせて一安心。「俺がこうして仲人出来たも、当たり前田の貸衣装(のおかげ)!」といった感じなのである。
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