2010/05/19

素顔の街を見る楽しみ…築地の賑わいと安さに驚嘆

旅行や出張の楽しみの一つは朝早くその街を散策すること。なぜなら、化粧を剥いだ、その街の「素顔」が見えるからである。

これまでで一番素晴らしいと感じた街は、ドラマ『白線流し』で有名になった長野県松本市。国宝の松本城を中心とした城下町だが、住宅地の隅々まで清掃(美意識)が行き届いており、住民の文化レベルの高さがうかがえた。

子供たちがまだ小さかった頃に出かけた大阪はバイタリティ溢れる大都会ではあったが、どこか雑然としていて、いま一つ馴染めなかった。ただし、嫌いではない。

既報のように昨日から上京している。宿舎は銀座の外れにある小さな古いビジネスホテル。近代的なシティホテルと違って、時間がとてもゆったりと流れていて、田舎者には気が落ち着く。

5時過ぎに目が覚めたので、近くの界隈をぶらついてみることにした。15分ほど歩いて、築地の場外市場に着いた。

もうすでに、ものすごい「活気」である。竹製の買い物カゴを提げて仕入れに来た調理人風のオヤジさん、写真撮影に余念のない外国人、仲むつまじい日本人の若者カップル…。ぼやぼやしていると突き飛ばされそうな威勢の良さだ。

日本中の農海産物が首都・東京を目指して集まってくる、食の一大宝庫。マグロを目玉にした24時間営業の鮨屋が幾つもあり、早朝にもかかわらず人の列が並んでいる。

往来の向こうに神社の姿を認めたので、参拝することにした。災難を除き波を乗り切るという触れ込みの「築地鎮座・波除稲荷神社」があった。

手水(ちょうず)で身を清め、お賽銭を入れて、二礼二拍手。これで商売繁盛間違いなし、とスッキリした気分で道向かいの築地本願寺へ。

途中、見かけた瓶入りの「岩海苔」の値段を見ると、1個250円であった。先日、佐世保の土産物店で見たのは確か1050円だったから、なんと4分の1ではないか!

話は脱線するが、海産物が高いのか安いのか良く分からない時には、岩海苔の値段で判断することにしている。これが筆者流。通常は525円か630円なので、やはり築地は「バカ安!」である。

本願寺の境内は市場周辺と打って変わって、森閑としていた。正門をくぐり案内表示にしたがって、本堂へ。教えのままに、お香を焚いて、念仏を唱えたら、気分はより清々しく!

まだ出発時刻までには相当時間がある。もっと歩こう!ということで、銀座から日比谷に抜けて皇居周辺を半周。大手町から八重洲を経て宿舎にたどりついたら、2時間強が経過していた。

天候は晴れ。気温も「夏日」に向けて上昇しそう。これからシャワーを浴びて、会議に臨む。