2010/06/09

「手書き」の深い味わい…デジタルとアナログの狭間で

メール全盛の時代だからこそ、「手紙」や「ハガキ」の価値が上がる。どんなに下手クソな字面でも、「手書き書簡」の味わいはまた格別だ。

暑中見舞いにはまだ早いこの季節だが、転勤や赤ちゃんの誕生を知らせてくれる「絵手紙」などが届くと、なぜかホッとする。必然的にこちらも「手書き」の返事で応じる。

ビジネス文書で言えば、「送信記録」などが確実に残るメールには遠く及ばないが、何でもかんでも「スピード」や「効率」ばかりで考えるのも些かどうか、という気もする。

ただ一方で、田舎で一番欠けているのは、そうした「要素」である。昔、海軍だったかに「拙速を尊ぶ!」という教えがあったそうだが、グズグズせずに行動に移すことは、この不況を乗り切る上での「要諦」でもあろう。

我が身を振り返れば、時代に遅れまい、と先日ネットで申し込んだ「iPad」(アイパッド)がまだ来ない。一足先に手に入れた、その筋に詳しい社員によると、パーツごと別々に送られてくることもあるそうだ。

確かにそうだった。最新版の広辞苑サイズくらいのダンボールが届いたので、てっきり「本体!」と思い込んで勇んで封を切ってみたら、中身は保護カバーのみ。やや肩透かしをくらった感じだ。

ひょっとしたら、こうして「待ち侘びている」状況が一番楽しい時間帯かも知れない。少し前に「iPhone」(アイフォン)を仕入れた時がそうだった。

東京で雑誌の編集業を営んでいる古くからの友人の薦めで購入したのだが、様々な機能が付いている反面、機械オンチにはいたって使いづらい。おまけに、電池が長持ちしない。

出張の折など、一流のビジネスマン気取りで携行しているのだが、使用する局面は皆無に等しい。まず「行動予定」を書き込もうにも、いかんせんキーボードが小さ過ぎる。

おっつけ、これまで通りに、やや小ぶりの携帯パソコンに頼らざるを得ないわけだが、これが何とも「お荷物」なのである。特に汗をかくこの季節だと、着替えの入ったキャリーバックや土産物袋などと合わせて持ち運ぶ姿は、一流どころか、典型的な「お上りさん」スタイルである。

その点、「アイパッド」は薄型で軽くて持ち運びに便利。加えて、オジさん向きにキーボードも大きく設計されている、とか。「慣れれば本も読めますよ」というから、「早く来い!来い!アイパッド」と、心待ちにしている。

ところで、先日の日曜日、TBS系の深夜帯で『革命テレビ』というのをやっていた。「ユーストリーム」という機能を使い、今流行の「ツイッター」と組み合わせた、文字通り「斬新な企画」であった。

こうして時代はドンドン先に進んでいく。でも、「手書き」の味わいはやっぱり捨て難いのである。