2010/06/16

柘榴(ざくろ)の花に色々思う…口蹄疫問題の早期解決

「梅雨入り」の声を聞き、雨にうたれた紫陽花が目にも鮮やかな色合いを醸し出しているが、我が家の柘榴(ざくろ)の老木も決して負けてはいない。

樹齢どれくらいになるのだろうか…。筆者が20数年前に初めて見た頃からすでに立派な老木だった。もう百年近い歳月が経っているのかも知れない。

その老木に2週間ほど前から、輝かんばかりの朱色の花が咲き誇っている。葉は青々と繁り、金具で補強された細い脛(すね)のような〃根っこ〃の部分を見ない限り、若木の勢いと見間違うばかりだ。

柘榴は土地によっては「実が割れる」ことから「不吉」とされている地方(富山県など)もあるそうだが、一方で「子孫繁栄(多産)の証し」として珍重されている所もあるというから、何とも面白い。

恐らく我が家の柘榴の場合は、後者の理由と言うより、「甘味」が少なかった遠い昔、子供たちへのおやつ代わりにでもなれば、との〃親心〃で植えられたもの、と推察している。

その証拠に、植栽の種目を見ると、ヒワや夏ミカン、アンズなど「実の成る」老木が今でも幅をきかせている。

柘榴で思い出すのは「鬼子母神」の話。釈迦が、子供を喰らう鬼神「可梨帝母」に柘榴の実を与えて、人肉を食べないよう約束させた故事にちなむ。

鬼子母神はそれを機に「子育ての神様」に変身するわけだが、日本でも東京などに有名な祀所がある。その筆頭格は「おそれいりやの鬼子母神」の掛詞で有名な台東区入谷の鬼子母神(真願寺)だろう。

ただ、筆者が訪ねたことがあるのはそこではなく、豊島区雑司が谷にある豊名寺。池袋から目白に向かって歩いている途中にあったので、ねんごろに参拝してきた。

また、その東京で「ざくろ」と言うと、これまた有名な「しゃぶしゃぶ」のチェーン店がある。赤坂や銀座などに店を構える高級店で、誰かの奢りで1度だけ行ったことがあるが、その味は覚えていない。

それより何より、宮崎の「口蹄疫」の問題は大丈夫なんだろうか…。いったん終息しかかったかに見えた後で、再び急速に広がりを見せており、先の展開は予断を許さない状況。

事はひとり宮崎だけの問題ではない。手塩にかけて慈しみ育てた家族も同然の牛や豚を「殺処分」しなければならない、彼の地の畜産関係の皆さんの心中を思えば、何とも言葉の掛けようもない…。

今から20年近く前の島原。土石流災害の跡地を歩くと、熱湯で息絶えた、ピンク色の子豚の死体があちこちに横たわっていた。

今回の事態では、人的に「殺処分」の手を下さねばならないだけに、余計に無残だ。一日も早い「完全終息」のその日を待ち侘びるばかりである。【明日の『ターニングポイント』は出張のため休みます】