2010/07/26

玄関先で千円ゲット!…誰か心当たりのある方は?

「まったく、あがんこと(賞味期限切れの話)ば書いて!皆さん、勘違いさすとん!もうお客さんに水羊羹とか出せんじゃなかね!」 - 。

土曜の深夜帰宅して酔眼(すいがん)朦朧(もうろう)たる中で「母が怒っている!」と、家人の口から聞いた。「お前もか?」と訊くと、「あったり前じゃろもん!」ときた。

いやいや、お二方はまだ〃世の中〃というものを良くご存知でない。「他人の不幸(失敗)は蜜の味」と申すではないですか!つまり、それが人間の〃心理〃であって、世間一般の〃真理〃というものなんですよ!

なぁーんて、偉そうな書き出しで恐縮だが、前回のコラム記事が出た翌朝(日曜)は、まともに母の顔が見ることが出来なかった。怖くて…。

長年の〃マスオさん経験〃からいくと、こうした時には〃逃げる〃に限る。照れ隠しに、今度はこちらが怒ったようなフリをして「仕事がある!」と言って早々に家を出た。

特別に用事があるわけではなかったが、事務所に立ち寄った。どうやら今日も陽ざしが強そうだ…。折角だから、花に水でも遣るか、とホースをたぐっている途中で、「ん」?

よくよく目を凝らして見ると、前日に設置したばかりのプランターの影に無造作に折られた千円札が一枚。まさしく、気持ちは〃現金〃なもので、急に機嫌がなおった次第。

コソッと半ズボンのポケットに忍び込ませたが、「ひょっとして当社を訪ねて来られたお客様のモノではないか?」と思うと、気が落ち着かない。

「ツービー、オアーノット、ツービー」 - 。警察に届けるべきかどうか、ハムレットのような心境で、遥か昔の学生時代のことを思い出していた。

かつて筆者は〃準シロガネーゼ〃であった。住所そのものは「恵比寿」だったが、坂を下って大通りを1つ渡ると、そこはもう「白金台」という別世界。辺りには大使館があって、当時から外国人の数がケタはずれに多かった。

ある朝、散歩をしている途中で、白亜の豪邸の前に〃古本〃が積まれているのを見つけた。古本とは言っても、学生街で見かけるのとは明らかに〃雰囲気〃が異なっていた。

人目を憚りつつ、恐る恐る紐解いてみると、ボッチチェリーの画集に、レバノンの写真集…。カッコイイ!何のためらいもなく下宿に持ち帰った。

と、その中に〃ヘソクリ〃と思しき2万円が何とピン札で入っていたのだ。欣喜雀躍!ヤッタ!ヤッタ!の大歓声!

だが、大金を拾ったのはこの時くらいのもので、失くした総額に比べれば、まさしくもって〃焼け石に水〃なのである。

ところで、この千円、どなたか心当たりがありませんか?