2010/07/30

犯人は〃毛虫〃だった…素晴らしい日本の古典!!

「FMしまばら」の開局を記念して植樹してもらった3本のヤマボウシのうち、1本の様子がどうにもおかしい。去年の失敗に懲り、今年はタップリと水やりしているのに…。

気付いたのは昨日の夕方。いつものようにホースを取り出していたところ、他の2本に比べて葉の量が異常に少ないのだ。

急に心配になって、我が家の〃樹医〃こと宮本秀利さんに電話を入れて症状を伝えた。「わかった。診に行く」との返事はもらったものの、やはり気懸かり…。

そこで改めて現場に赴き、目を凝らして観察してみて、やっと〃原因〃がつかめた。犯人は葉っぱと同系の保護色の皮膚をまとった〃毛虫〃だったのだ。その数は1匹や2匹ではない。小枝や葉の裏側にも、それこそウヨウヨ棲みついているではないか!

俺が丹精込めて毎日水をかけているヤマボウシに、何たる仕業か?一瞬、「この野郎!」と腹立たしい思いにも駆られたが、全身を器用に使って無心に葉を食(は)んでいる様子は反面、可愛くもある。

このままホームセンターに行けば撃退用の消毒液が売られているだろうが、しばらくは我慢して樹医の診立てを待つことにする。宮本さん、はよ来てよ!

ところで、むかし高校の頃に習った古典の中に、『虫めづる姫君』という作品があったはずだ。どんな内容だったか皆目おぼえていなかったので、ネットで調べてみると - 。

あった!あった!出典は作者不詳の『堤中納言物語』(13世紀・平安後期以降)という短編集だった。当然のことながら古典の素養など持ち合わせていないので、解説文くらいに留めておくつもりだったが、「現代語訳」のコーナーもあったので、軽い気持ちで読み通してみた。

何と、これが頗(すこぶ)る面白い!とにかくテンポが良くてビジュアル系なのだ。そのままドラマにしたっていける!一説によれば、宮崎駿(はやお)さんの『風の谷のナウシカ』にも影響が及んでいるとか!?

ここで何の脈絡もなく突然で恐縮だが、お茶の水女子大名誉教授の藤原正彦さん(数学者)が文藝春秋7月号に寄せられていた緊急レポート『日本人に告ぐ』の一節を思い出した。

「日本をどう思うか」という問いに対して「恥ずかしい国」「胸を張って誇れない歴史を持つ国」などと答える受験競争の勝利者。自信満々の彼女らに対して、同教授は甚だ複雑な思いを抱きつつ、こう反論し、諭している、という。

「西暦500年~1500年までの10世紀の間に生まれた文学作品の数は、日本一国が全ヨーロッパのそれを質・量ともに圧倒しているんだよ」。その後に具体的な解説に入ると、学生達はおしなべて沈黙してしまうのだ、と。

虫嫌いな平成の中年男も感心することしきり。スゴイよ、日本の古典文学!!