2010/09/21

30数年ぶり「湯本」へ…金子みすゞの人気に吃驚!

待ちに待った連休(19日~20日)は〃完全オフ〃とし、1泊2日の旅程で山口県を訪ねてきた。自身にとっては、30数年ぶりの「センチメンタル・ジャーニー」とでも言うべきか…。

片道6時間強―。自らハンドルを握っての1日当たり400キロ以上の走行距離は、なかなかにハードではあったが、それ以上に断然楽しかった!

宿泊先は「長門湯本温泉」。音信(おとずれ)川沿いに大小のホテルが並ぶ山あいの温泉地で、形状的には大分・熊本県境の「杖立温泉」のようでもあるが、あそこまで山は深くない。

実は今を溯ること約30年前、この地において「苦い思い出」があるのだ。それは以前勤めていた会社の研修会での出来事―。

食事が終わってたまたま同室に配された1年先輩の心ない一言に、「カチーン」ときた筆者は、周囲が制止する間もなく、もう飛び掛っていた。

詳細については割愛するが、「島原半島」のことを訳知り顔の口調で悪し様に言われたことが、どうにも我慢ならなかったのだ。

自分としては「もう辞めるしかない」と腹をくくっていたが、直属の上司の計らいからか、一切「お咎め」はなし。ただし、ケジメをつける意味で、自ら進んで頭を丸めた。

ほぼ30年ぶりにそのホテルの湯船に浸かって、自らの「来し方&行く末」を考えてみた。もう、当時のような、猛り狂う「熱情」も持ち合わせていないが、かと言って「バラ色の老後」ともご縁はないようだ。

ただ言えることは、今も昔も、古里(島原半島)から離れられない「自分」が、厳然としてここに在るのみ。五木寛之さんがよく使う「デラシネ」とは対極にある我が身…。

そんなこんなを考えながら、翌日、明治維新の地「萩」に入った。ここは別の用件で幾度か訪れたことのある街だが、自分で車を運転して入るのは初めての経験だ。

整然とした家並みと、市役所前の広い道路。漆喰壁と夏みかんのイメージばかりが先行していたが、今回は通常の観光地は避けて、商店街の一角にある古い酒蔵を訪ねた。

たまたま同行者の一人にその店の知り合いがいて、随分と「歓待」を受けたのだが、残念ながら2日間ともハンドルキーパーだったので「利き酒」も叶わず、ひたすら「生唾」ばかりを呑み込んできた。

帰途は仙崎の「金子みすゞ記念館」に立ち寄ってきた。恥ずかしながら、この詩人がそんなに著名な存在とはつゆ知らず、余りの来館者の多さにただただびっくり!

代表作『わたしと小鳥とすずと』の世界なんか、スマップの大ヒット曲『世界に一つだけの花』の歌詞の「原型」ではないかと、いたく感動した次第であります。