2010/09/11

犯人は酷暑か、虫か?…秋の気分を満喫したいのに…

記録的な猛暑に見舞われた今年の夏もようやく観念したと見え、朝晩はすこぶる過ごしやすくなってきた。さあ、お次は何だ?

個人的に待ち望んでいるのは曼珠沙(まんじゅしゃ)華(げ)の開花。別名「ヒガンバナ」と呼ばれているように、彼岸が近まると、一晩のうちにスルスルと茎を伸ばして、複雑な形状の赤い花を咲かせる。

不思議と言えば不思議な現象だが、これもまた「自然の摂理」に基づいた神々しい営みの表れであろう。四の五の言わずに、素直に感動しよう!

この季節のもう一つの楽しみは「虫の音(ね)」。散歩や買い物の途中で耳を澄ますまでもなく届いてくる涼やかな響きは、いかにも「日本的」だ。

昼の間はじっと身を潜めている虫たちも、いざ夜の帳(とばり)が落ち始めると、一斉に羽を振るわせる。リーン、リーン…。その鳴き声は物悲しくもあるが、心に染みわたってくるのも事実だ。

そうした「虫の音」は、山野の辺りでは至極当然のことだろうが、島原の素晴らしいところは、「街の中心部」でもそれが聞こえること。

嘘でも誇張でもない。徒歩や自転車はもちろんのこと、車の運転中でも窓を少し開けておくだけで、存分に楽しめるのだ。

秋になって空気が澄み渡ってきたら、夜空を眺めるのも楽しい。星の名前などガキの昔から全然興味がなかったが、どういう訳か「天体望遠鏡」だけは数年前から所持している。

「星好き」の周囲に触発されての典型的な衝動買いの遺物だが、隣家に「その道の達人」も住んでおられるようなので、今年こそ「正しい使い方」を訊いてみよう。

そうそう大事なことを忘れていた。月だ、月。昨年、秩父が浦の海岸で眺めた「中秋の名月」の素晴らしさは、もう言葉では語り尽くせない!

暦を調べると、今年の「中秋の名月」は、旧暦の8月15日。すなわち、新暦では9月22日(水曜日)となっている。

島原(有明海)の「月の出」の特徴は、対岸の熊本側から昇り始めた直後は「赤味」が強く、その後、時間が経つにつれ「白味」を増していく点にあろう。

とは言っても、島原以外の地でじっくりと「月の移動」など観察した経験はないので、比較のしようもないのだが…。

ところで、数日前から遠目に見ていて「一足早い紅葉か?」と、眉山の中腹部を眺めていたら、悲しいことに、松林が枯れていることが判明した。

原因は果たして何なのか?記録的な猛暑に伴うものなのか、それともマツクイ虫の仕業…。専門家でもないので「予断」は禁物だが、仮に後者だとすれば、いかにも無粋な野郎である。

これではせっかくの「松籟(しょうらい)」(「将来」の掛詞)ある身が「虫の息(いき)」ではないか!?