2010/09/15

買いましたよ『悪人』…これは何かしらの因縁だ!

モントリオール世界映画祭で、深津絵里さん(27)が「最優秀女優賞」に輝いたニュースはまだ記憶に新しく、今月11日封切りの映画もなかなか出足好調のようだ。原作は平成18年3月から約1年間にわたって朝日新聞(夕刊)に連載されていた、吉田修一さん(42)の長編小説。

すでに知れ渡っていることだが、吉田さんは長崎市、深津さんは大分市、そして競演の妻夫木聡さん(27)が福岡県柳川市の生まれだから、物語の舞台同様、「九州色」の強い作品である、と言えよう。

実は、今朝ほど原作の文庫本(上下2巻)を買ってきたばかりで、中身についてはテレビや新聞等で仕入れた情報しか持ち併せていないので、ここで語るのはややオカドチガイだが、前々から気にはなっていた。

というのは、吉田さんはANAの機内誌にエッセイを連載していて、少し前の号に同映画の話を書かれていたからだ。その吉田さんで思い出すのは、『パーク・ライフ』という作品で「芥川賞」(平成14年)を受賞した際に、選考委員の石原慎太郎さん(現東京都知事)から極めて厳しい評価を下されていたこと。

筆者も同じ長崎県人ということもあって、「いくらアタンな才能に溢れとらすとやろばってん、そがんまで言わんでよかろーもん!」と、腹立たしい思いで、その過激な文脈をたどったことを覚えている。

今にして驚きだが、なんと『パーク――』の舞台は、かの「日比谷公園」。そう、あの梅屋庄吉翁の曾孫、小坂文乃さん一家が経営している「松本楼」のある場所なのである。

実際に足を運んでみればよく分かるが、皇居にほど近いその一角は、年中豊かな緑に溢れていて、植え込みの花々も良く手入れが行き届いていて、みな素晴らしく美しい!

極めて「個人的な思い込み」であることを承知の上で言えば、『パーク・ライフ』(日比谷公園)といい、『悪人』(九州北部3県)といい、これは何かしらの「因縁」に他ならない。

別な表現をすれば、まさに「革命」から百年目にして巡り合った、(地域浮揚に向けての)大きなチャンスである。幸運の女神は「前髪」を掴まないと、逃げて行ってしまう、という。県(民)には、心してかかっていただきたい!

といった次第で、今日もまた、行ったり来たりの何とも締まりのない内容で終わってしまいそう…。恥ずかしげもなく、再び『悪人』の話に戻れば、法然(浄土宗)や親鸞(浄土真宗)の教えを取り上げないわけにはいかない。

「善人なおもて往生す。いわんや悪人をや」―。いわゆる「悪人正機説」と呼ばれているものだが、この辺りの事情は五木寛之さんの小説『親鸞』に詳しい。

そう、この方が少年時代を過ごした古里も、九州(筑豊)だった。九州バンザイ!!