2010/10/07

我が心 千々に乱れて…禁煙の先行きはつかめたが

〈もうー、もっダメ!1本だけ、いや、せめて1口だけでも…〉。本当に心の底から、そんな叫び声を上げたいくらい、の心境だ。

歴史的な大幅値上げを機に、今週初めから踏み切った「禁煙の誓い」(チャレンジ章)も、はや4日目を迎えた。正直に言う。まだ1本も吸っていない。

ノン・スモーカーの方々には分からないだろうが、この辛さは尋常ではない。体はだるく、イライラ感は増し、集中力は欠け、睡魔さえ襲ってくる。

医学の専門用語では「離脱症状」と呼ぶのだそうだが、筆者の場合は格別「重篤」のような気がしてならない。ハッキリ言って、ここシバラクは、ほとんど仕事にならない。

本来であれば、前夜(6日)は、新番組『当方見聞録~この人に会いたい~』をスタートさせていたはずなのに…。肝心の本人が「その気」にならないから困ったものだ。

それでも昨夜は、かすかな「勇気」を振り絞って、ラジオ出演だけは果たした。鰻家小にょろ師匠の「ご配慮」に深謝だ。

出演中はもっぱら、新番組の話題に持ち込もうとされた(by小にょろ)が、やんわりとケムにまき、自らの「衝動禁煙」にまつわるバカ話に終始した。

ところで、冒頭の「禁断症状」についてだが、今日辺りからかなり落ち着いてきたようにも思う。積極的ではないにせよ、一応「書く」という気持ちにはなれたのだから…。

ただ、まだ油断は禁物だ。今でも、もし誰かが「1本どうぞ!」と差し出して下されば、むげに断り切る自信はない。

一方で、「禁煙」という行為に正面から取り組んでみたことで、逆に見えてきたこともある。「喫煙イコール悪ではない」ということだ。ただし、それは健康上の問題や、周囲の非喫煙者への気配りというマナー面は差し引いての話。

なぜ、恥をしのんでまで、このようなことを言うのか?少なくとも喫煙には、「いや、ちょっと待て!」という暴走を食い止める「効用」がある、と改めて感じたからだ。

先般、新聞の書評欄で見た資生堂名誉会長、福原義春氏の著作『私は変わった 変わるように努力したのだ』をタイトルに惹かれて買った。

期待して開いてみたのだが、中身はあっけないくらいの短文の寄せ集め。正直「何これ?」とも思ったが、幾度か読み返していくうち、なかなか含蓄に溢れているではないか!

実は、この福原さん、なかなかの才人で、同じく求龍堂から出ている『松岡正剛千夜千冊』(超話題本!)の装幀まで手掛けているほどの文化人なのだ。

「松岡正剛」と聞けば、片時もタバコを手放さない〃博覧強記〃の編集者として知られる。憧れないはずがない。果たして、私は変われるか?嗚呼、一服した~い!