2010/12/17

最初から巨匠はいない…〃視野〃を広めよ、若者諸君!!

「おざわはおざわ」でも、今日は「政界」ならぬ「世界のオザワ」の話をしよう!そう、あの世界的指揮者(最近では「マエストロ」と呼ぶのか…)の小澤(おざわ)征(せい)爾(じ)さん(75)のことだ。

16日付けの各紙でも紹介されているように、現在「食道がん」と必死に戦っている小澤さんが14日、ニューヨークのカーネギ―ホールで見事「復帰」を果たした、という。

この演奏の模様は前夜のテレビニュースでも繰り返し取り上げられていたので、家族と一緒に観ていたのだが、まぁー何と表現したら良いのか…。「感動的」というよりむしろ「鬼気迫る気配」を感じた。

報道によれば、まだ右腕が思うに任せない状況だという。それでも巨匠の動きはダイナミズムに溢れ、まさに〃魂〃そのものが白髪&痩躯(そうく)のカラダ全体に乗り移った感じだった。

ただ、この巨匠も最初から〃大物〃だったわけではない。そこが今日(きょう)皆さんに、一番申し伝えたい所だ。特に若い人たちに。

回りくどい言い方をしているが、この人の書いた『ボクの音楽武者修行』(新潮文庫)という本は、とてつもなく面白い。痛快無比と言ってもよい。

貨物船でヨーロッパに渡り、提供を受けた日本製のスクーターに跨(またが)って各国を歴訪。その間、次々と各種コンクールで優勝。ついには、ニューヨークフィルの副指揮者として凱旋帰国を果たしてしまう。

この本が書かれたのは昭和10年生まれの著者が27歳の時、と言われているから、まだ海外渡航が自由化される以前のことだ。さぞかし〃大変〃だったはずである。

それでも青年(著者)は世界を目指した。そして様々な国の人々と出会い、ともに暮らし、ともに泣き、ともに喜んだ。

もちろん、「音楽」とい使命を抱えての「目的のハッキリした旅」であるから、普通の人々より踏ん張れた背景もあろうが、半端じゃないのは事実だ。

良く言われる―「最近の若者はクルマも欲しがらないし、海外旅行にも行きたがらない」と。本当だろうか?もしそうだとすれば、「信じられない」と首をすくめるしかない。

金額の張るクルマはともかくとしても、筆者などは「海外に出たい!」その一心で前の会社に就職したようなものだから、その心境を量りかねるのである。

確かにインターネットがなかった昔と違って、今では海外関連の情報も手軽に取得できるようにはなった。それはそれで大変に結構なことだが、やはり「実物」や「本物」を見ないことには…。

そうしないことには真の「国際交流」も「ビジネス」も成り立つどころか始まるまい。さぁーこの本読んで、青年たちよ、海外を目指せ!ボーイズ・ビ・アンビシャスだ!!