2011/01/12

タイガーマスク参上!?…「違和感」ないと言えば嘘

〈しろいマットの ジャングルに きょうもあらしが吹き荒れる ルール無用の悪党に 正義のパンチをぶちかませ ゆけ ゆけ タイガー…♪〉。

もうその〃旋律〃のさわりの部分を聴いただけで目頭がジーンと熱くなってしまう。そう、我らが若き日の、劇画界のヒーロー「伊達(だて)直人(なおと)」の活躍ぶりを謳った『タイガーマスク』の主題歌だ。

当時は原作者が誰かなどさして気にも留めなかったが、改めて調べてみたら、『あしたのジョー』や『巨人の星』と同じ梶原一騎さん(故人)だったと分かり、より合点(がてん)がいった次第。

なぜ、ここに唐突に『タイガーマスク』が出てきたのかの説明などもう不要なほど、今や「伊達直人」は〃時の人〃である。ひょっとしたら、同じ「直人」でも現職の総理大臣より世間一般の〃支持率〃は高いかも知れない。

このところの紙面によれば、「伊達直人」なる匿名で、文房具やランドセルなどを児童養護施設等に届ける〃篤志家〃の寄付行為が全国各地で相次いでいるそうだ。

県内でも9日朝に、長崎市内の福祉施設にランドセル7個が「ヒバクシャ」という名前で届けられた、と地元紙が報じている。

目を覆うような変な事件と違って、こうした〃連鎖〃は罪が無くて良いと思うが、同時に「ニュース」としてどことなく〃違和感〃を感じないわけでもない。

〃善意〃はある意味、「秘すればこその花」である。マスコミ各社とも、世知辛い社会風潮の中で、そのような得難い行為が営まれているからこそ〃価値〃を認めたのであろうが、一方で過ぎたるは何とやら…、とも言う。

だいたい、このランドセルというのが曲者だ。日本語で言うと、小学生向け背嚢ということになろうが、最近はどういうわけか売り出しのCMが異常なまでに早い。いや、早過ぎる。

通常、春先に求める「新入学用品」であろうはずなのに、元NHKテレビの体操のお兄さんとやらが随分と季節はずれの頃から画面に出てきて、「背筋ピーン!」と売り込みに余念がない。

まあ、それを規制する法律も何もないだろが、繰り返し&繰り返しそのフレーズを流されたら、いわゆる「サブリミナル効果」みたいなもので、ついつい「手」も出てしまおうというものだ。

だいたい、伊達直人なる架空の人物でなく、れっきとした菅直人という内閣総理大臣が、毎月「子供手当」を出そうとしているのに、屋上屋を架してどうすんの?

もっと別に〃善意〃の使い道があるのでは?と憎まれ口も叩きたくなるが、世の中にはそんな下世話な思いとはかけ離れた奇特なご仁もきっといるはず。静かに事の成り行きを見ていくことにしよう。