2011/01/22

勘違いしてません?…冬至は「最短昼間」ですよ

政治も…。いや政治の世界はさて置くとして、この世の中はひょっとして小さな「誤解」や「失敗」が集積して出来ているのでは、とこの頃とみに思うようになってきた。

その伝なのか、今でも毎日のように〈ショーモナイ失敗〉を繰り返しては眠れぬ夜を過ごしている。もちろんこれは、個人の問題だ。やはり馬鹿という宿痾(しゅくあ)は死ぬまで治らぬものなのか…。

身の回りを見渡せば、本当にしきりと反省することばかり。しかし、敢えて本日は個人という立場を離れ、世間様一般が抱いておられるであろう「誤解の本丸」に迫ってみたい。

とは言っても、自分で調べた話なんかではない。自社のラジオスタッフがジオパークの寺井先生から伺った「又聞きバージョン」の一つだ。ただ時節柄、とても面白いと思う。

暦の配列(二十四節気)では、明日(12月22日)が一年中で一番日が短い「冬至(とうじ)」ということになっている。その説明自体に何の間違いもない。

問題は「日が短い」の捉え方。つまり、それは「日没時刻が早くなる」ことではなく、「昼間という『時間帯』が最も短くなる」という意味なのである。ここのところが、よく誤解される部分だ。

専門的には「太陽の黄経(黄道の一点と春分点とがつくる角度)は270度。北極圏では太陽が現れず、南極圏では太陽が沈まない」などとなる。

ただ、そんなに聞いたこともないような言葉を仰々しく並べて言われても、益々分からなくなってしまうばかりだ。ここはひとつ、単純第一に!

年間で一番日没が早いのは12月4日(ごろ)。逆に日の出が遅いのは1月10日(同)。その間に「冬至」(12月22日同)があって、この日あたりが一番、昼間が短いのだ、と。

どうです、スッキリしたでしょう、皆さん!時に余談だが、この日を境に昼間の時間は〈畳の目ほどに〉ジワリジワリと延びてゆくのだそうだ。(何と言う詩的な表現だろう!)

それから、「陰」が去り「陽」に復することから「一陽来福(いちようらいふく)」というめでたい言葉も、ここから生まれている、という。

また昔から、冬至の日に南瓜(かぼちゃ)を食べると中風に罹らない、柚子湯に入ると風邪をひかない、などという言い伝えがあるが、栄養学的に見ても、なかなか尤もらしい話ではないか…。

ところで、人間とは勝手なもので、「冬至=日没時刻」との呪縛から解き放たれた途端、急にこのところの冬の夕暮れをやさしく感じ取ることが出来るようになってきた。

今日より明日、明日より明後日が長くなるんだ。そう思えるだけでも十分に幸せである。何せ「一陽来福」なのだから!

ただ、日の出がまだしばらく遅くなっていくのは困ったもの。せっかく最新式の「万歩計」を買ったというのに…。