2011/04/12

今こそ意地を見せる時…「心が痛む」だけでいいの?

数日前から鼻の穴、いわゆる「鼻腔」がカサついて風邪のような症状が続いている。イヌの場合の健康のバロメーターは鼻先が濡れているかどうかだというが、筆者のようなブタにもその〃原理〃がハテ当てはまるのか…?

未曾有の「東日本大震災」から一月が過ぎたというのに、被災地及びその周辺は「余震」でまだまだ揺れている。昨日起きた地震にしても「マグニチュード7」というから規模的には十分過ぎるほどに大きいのだが、これまでと比べてさほどの驚きを感じない。「狎(な)れ」とは怖いものだ。

災害発生以来、色んな識者やジャーナリストによる「分析・検証」が各方面でなされている。どれも一理あり、納得させられることも多い。ただ、皆さん、被災した「当事者」ではないので、見よう、聞きようによってはいささか「無責任」の誹(そし)りも免れない。

かく言う筆者だってそうだ。本当に悲嘆にくれた被災者の胸の内が分かるのか?と問われれば、自信をもって「もちろんです」とは答えられない。これはある意味「仕方のないこと」なのかも知れない。批判を覚悟で言えば、「心が痛む」の一点張りで文をまとめているコラム子の善人ぶりが妙に「鼻」につくのである。

その点、文芸春秋5月号に掲載されている塩野(しおの)七生(ななみ)さん(イタリア在住)のご高説はさすがである。『日本人へ』シリーズ96篇目となる今回のタイトルは「今こそ意地を見せるとき」。

塩野さんが同原稿を書いたのは、災害発生後13日目の先月23日。物書きとしての覚悟を「考(・)え書(・)くこと」としたうえで、自説を展開している―。

〈何よりも重要なことは、日本人の間で、批判や攻撃をし合わないこと。批判だけでは解決に結びつかず、非建設的。外国のメディアに格好な餌を与えることにもなる〉

〈メディアの本性は権力や時の政府に反対すること。日本人の中に『不協和音』を見出せば、鬼の首を取ったかのように(海外メディアは)嬉しがって報道する〉

〈世論調査では、日本人の95%までが日本は復興すると答えた。気概も十分。要は、原子力発電所だけが落ちつけばよい〉

こうした現実の事態を大前提に塩野さんが提案しているのは①イタリアがEU入りに際してとった金融政策(対ドイツ連銀)②古代ローマの「富裕税」③宗教法人への応分の課税―などといった各種「禁じ手」も厭(いと)わない復興諸策。

一方で、「政権維持・奪取」や「(震災後の)票の行方」にばかり気を取られているようにしか思えない現代日本の政治家の動向を痛烈に批判。最後は国民に向け「背筋を伸ばし、視線を正面に向け、毅然として耐えて行こう」と呼びかけている。

スゴイ!!と同時に、己の筆力のなさに改めて「心が痛む」ばかりだ。