2011/04/28

さよならだけが人生!?…スーちゃんも宗慶さんも…

好きで&好きでたまらなかったアイドルが亡くなったからといって、わざわざ斎場まで出かけていくような〃情熱〃など持ちあわせていないが、そこまでいってはじめて、本当のファンなのだろう。

25日、東京の青山葬儀所で営まれた元キャンディーズのメンバー、田中好子さん(愛称・スーちゃん)の葬儀には、二千人を超える参列者があった、という。スゴイ!!さすがに我らが青春時代の輝けるスターの一人である。

「享年55歳」というから、筆者と〃同い年〃ではないか。ただ、好みの問題からすれば、学生時代はキャンディーズよりむしろ、ピンクレディーの方に魅かれていた。

今考えれば〃赤面〃の至りだが、パブのステージに上がっては、多くの酔客が見守る中で『UFO』なんぞを歌い&踊っていた。あー恥ずかしい!!

歌手時代のスーちゃんは、何となく魯鈍(ろどん)な感じがした。ただ〃女優〃になってからは違った。黒目がちの大きな眼(まなこ)を輝かせた演技が、段々と役柄に深みを漂わせるようになっていった。そして、何と言ってもあの〃笑顔〃。

ひょっとしたら、早世した義理の妹、夏目雅子さん(女優)のイメージとだぶらせて見ていたのかも知れない。それにしても「佳人薄命」とはよく言ったものだ。

女優、田中好子で一番印象に残っているのは、故・今村昌平さんが監督した映画『黒い雨』の矢須子役。観ているうちに感情を移入し過ぎて、泣き崩れてしまった覚えがある。

原作は文豪、井伏鱒二さん(この方も故人)。井伏さんで思い出すのは、高校時代の現国の教科書に出てきた『山椒魚』。そして、荻窪の住人だったこと。

それと、これはつい最近知ったことだが、「花に嵐のたとえもあるぞ。さよならだけが人生だ」の〃名セリフ〃は井伏さんが編み出したものだそうだ。

田中さんの葬儀では、亡くなる少し前に収録された〃肉声〃が公開された。「天国で、被災された方のお役に立ちたい」―。原作者には悪いが、何だか「さよならだけが人生だ」とはにわかに割り切れないような気もする。合掌。

訃報関連ばかりが続いて恐縮だが、遠州茶道宗家の小堀宗慶さんも24日に亡くなっている。こちらは88歳。

実は、雲仙・普賢岳が噴火する少し前にお会いしている。眉山焼窯元の芝田さんご夫妻に招かれた、雲仙温泉での宴席だった。

「私の先祖は小堀遠州という人でね、広辞苑でも紹介されているんだよ」。調べてみたら、確かにあった。本業の茶道、華道のみならず、和歌、造園、建築の分野でも活躍した一種の〃天才〃だった。

12代目の宗慶さんも東京美術学校(東京芸大)に学んだ才人で、実にカッコよかった。重ねて合掌。