2011/06/03

教えてよ!つばめ君…私はどう生きていけば?

地元紙の記者として、今日あたりは20年前に思いを馳せ、国や自治体の災害対策上の矛盾点などを厳しく断罪する辛口の文章を書かねばならないところだろうが、何分そうした分析能力も気概も持ち併せていないもので…。

そんな〃反省〃にも似た思いを抱きながら事務所前の音無川沿いをトボトボと歩いていたら、巣立ちからまだ間もないと想われる燕(つばめ)の若人が颯爽(さっそう)と宙返りのアクロバット飛行を披露していた。

いや、筆者に見せるためにワザワザ飛んでいるはずもなかろうから、「披露」という表現は当たるまい。無難に「練習」(稽古)とでも言っておこう。

ネットで調べてみたら、日本で越冬する個体もあるそうだが、そもそもの習性は「渡り鳥」であろうから、これから何処へ向かうのだろうか?まあ、いずれにしても音無川で「飛び」を学んだ後は、彼らにも「長旅」が待っていることだけは確かだ。

〈つばめよ 高い空から 教えてよ 地上の星を つばめよ 地上の星は 今何処に あるのだろう♪〉

島原でも中村光利君(ナカムラ広芸社)を中心に圧倒的な人気を誇る中島みゆきさんが2000年代初頭に歌った『地上の星』は、NHKの人気番組『プロジェクトX~挑戦者たち~』の主題歌でもあった。

その曲と何の脈絡もないけど、島原にとって「特別の日」でもある今日(6月3日)を迎えるに当たってふと思うことは、果たしてこの地域、いや何よりもこの自分が「挑戦者であること」をいつしか忘れ去ってはいないだろうか?

あの頃は、それこそ「未曾有」という表現がピッタリくる長期大規模自然災害の幕開けの時期で、いつ終わるとも知れない不穏な空気の中で、気持ちの中にはいつも張り詰めていたモノが充満していた。

それがいつしか、今日の原発事故で言うところの「メルトダウン」(溶解)のような道筋をひょっとして辿っているのではなかろうか…。

もちろん、50代半ばという年齢的なモノからくる体力的な衰えもあろう。ただ、気力は別次元の問題だ。どうして、あの当時には普通にあった「何とかせんと明日はない!」といったような切迫感や生命力が湧いてこないのだろう。

物言わぬ「水の流れ」をじっと見る。鴨長明が今から800年以上も前に『方丈記』の中で語っているように、「淀みに浮かぶうたかた」は一瞬たりともじっとしていない。

さりとて、ボンクラ頭でいくら悩んでみたところで正しい答えなど見つかろうはずもない。これが「浮世」(憂き世?)、「世の中」なんだ。仕方がない。

「つばめよ 川の底から 教えてよ 私の正しい 生き方を♪」。だなぁ~んて、バカばかり書き続けて今日でとうとう900回です。