知らない間に秋風が…留守中「なでしこ」に異変
県外出張が続いた先週と違って、今週はびたっ~と地元に張り付く。気づいてみたら、辺りはすっかり秋の気配だ。
帰って来て何より残念だったのは、手塩にかけて育てていた花々がすっかり虫食いの〃被害〃に遭っていたこと。その1つがナデシコ。先週までは綺麗な花を咲かせていたのに、今や無残な姿を晒している。
よくよく目を凝らして見ると、胴体が漆黒で、頭と尻尾が黄色いツートンカラーの小さな虫が、わずかに残った花びらまで食い尽しているではないか。
虫々にとっては、それこそ〃死活問題〃であろうから、人間様の勝手な立場を振りかざして余り無体なことは言えないが、よもや女子サッカーの「なでしこ」にまで変な虫が付いてはいないだろうか…。まっ、そんな心配はないか!?
1週間ほど休んでいる間に、巷では色んなことが起きていた。スポーツ界で言えば、大リーグ・イチロー選手の10年連続200本安打の記録がついに途絶えた。
本人は実にサバサバした口調で〃記録の重圧〃から解き放たれた感想を語っていたが、天才の心境を的確に把握して文章化できる有能な記者もそうそうはいまい。
それでも彼らは書く。いや、書かなくてはならない。なぜなら、それが〃仕事〃だから。考えてみたら、記者稼業もよくよく因果な商売である。
筆者も〃その道〃に首を突っ込んで、恐る恐る端っこの方をヨタヨタと歩き続けてはや四半世紀になろうとしているが、いまだに満足のいく文章が書けたためしがない。
先ごろ講演を聴いた茂木健一郎さん(脳科学者)の言葉を借りれば、「それ以上求めても無理。元々、能力がないのだから」と片付けられるだろうが、これでメシを喰っている以上は、今後も〃生き恥〃を晒し続けていくしかない。
ところで、イチロー選手の記録断絶の話とは違うが、20年間余に及ぶTBSの人気ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』もついに終止符を打った。こちらの〃主役〃は何と言っても脚本の橋田壽賀子さんだろう。
『渡鬼』と言えば、何の変哲もない家族間の日常の話題がテーマ。誤解を恐れずに言うなら、決して〃映画化〃されることのないテレビ専用のホームドラマであった。
それでも、多くの視聴者が木曜午後9時になると、茶の間に居座りながら「そうそう、こんな理不尽な事だらけだよね、世の中は…」などと妙に得心しながらご覧になっていたはずだ。
商売柄、色んな調査機関の話を聞く機会も多いが、今後はテレビや映画の視聴形態も益々「茶の間」→「個人」へと変わっていくはずだ、と予測する向きが多い。
一世を風靡したテレビ万能の時代も、いよいよ〃秋風〃が吹き始めたか…。
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