2011/10/04

門司港に島鉄トロッコ…北九州で〃実証実験〃に参加

まさかこんな所で?週末を利用して出かけた北九州市内で、偶然にも「シマテツ」と出会った。場所は多くの観光客で賑わう門司港駅界隈。現地スタッフの案内がなければ見過ごしてしまうところだったが、何と今はなき「トロッコ列車」が走っていたのだ。

島原時代の車両は黄色をベースにした配色だったが、北九州では紺色の車体に塗り替えられていた。所属先も運行経路も確認できずじまい。ただ、関門海峡に面した和布刈(めかり)公園までは行っているらしい。

その時の〃心境〃はどう例えたらいいのだろう。家庭の経済的な事情で離散せざるを得なかった、懐かしい〃兄弟〃との再会のようなものだろうか?

まあ、いずれにしても〃元気〃で働いている姿は何より。むしろ、門司港自体が折からの〃レトロブーム〃で大人気だそうだから、島鉄はトロッコ列車との〃再会の旅〃を企画するくらいの商売気が欲しいものだ(もし、すでにあるのだったらゴメンナサイ)。

今回の出張の目的は同市内で2日間にわたって行われた、新たな放送システムの〃実証実験〃に参加することであった。結論から言うと、実験は大成功!

まだまだ〃企業秘密〃に属する部分が多いので中身について語るわけにはいかないが、順調にいけば、1年後くらいには島原エリアでもサービスインが可能だという。乞う、ご期待!

宿舎は小倉駅前のビジネスホテル。夕食は魚町商店街から一筋ほど入った、雑居ビル2階の鉄板焼き店。紹介者がいたおかげで、すこぶる安上がりで済んだ。やはり、持つべき者は友達である。

その〃お返し〃と言っては何だが、少しだけ北九州のPRをすれば、小倉や門司などの5市が合併して「北九州市」となったのは、東京オリンピックが開催された昭和39年。

当時は鉄鋼産業華やかなりし頃で、「北九州工業地帯」として社会科の教科書にも紹介されていたことを覚えているし、完成後間もない「若戸大橋」も観光のメッカであった。

近年では、産業構造の変化もあってかつての勢いはなくなっているものの、それでも「九州の玄関口」としての位置的な優位性は動かない。

代表的な地元企業は地図の「ゼンリン」や、トイレやバスルームなどで知られる「東洋陶器」(TOTO)。食べ物関係では、門司の「焼きカレー」に、小倉発祥の「焼うどん」など。

最後に、個人的な趣向を述べさせていただくなら、湖月堂(本店・小倉)の「栗饅頭」は絶品で、店内の喫茶兼レストランがこれまた素晴らしい。

筑豊炭鉱をはじめ周辺の人たちがたまの休みに家族連れで都会に出てきて味わったであろう〃甘味〃をいただきながら『東京タワー』(リリー・フランキー著)の世界を想った。