モロッコ大使と会う…遠くて近い〃友好国〃だった!
「そんな昔のことは憶えていない。そんな先のことは分からない」―。さして映画通でなくともご存じであろう、映画史に残る不朽の名作『カサブランカ』の中で、主演のハンフリー・ボガートが吐いた有名な台詞の一節だ。
ところで、舞台となった北アフリカの国はどこだ?クイズなんかやっている場合ではないが、答えはモロッコ。正式に言うなら「モロッコ王国」である。
ひょんなことから、そのモロッコの〃特命全権大使〃といういかめしい肩書きの人物とお会いする機会をいただいた。昨夜(28日)のことだ。大使のお名前はサミール・アルールさん。奥様は日本人で、うたこさん。眩いばかりの〃美形〃であった。
実は、ある大切な取引先のご案内で「九州モロッコ協会」の設立記念パーティー(福岡市)に招かれ、出席してきた。
会場は百人を超える招待客で賑わっていたが、一部の関係者を除いて、モロッコがどこにあって、どんな国なのかについて、まとまった知識を持っている人は少なかったようだ。
もちろん、筆者とて例外ではない。大使館スタッフの説明を聞く一方で、慌ててネットのページを捲りながら「歴史ゆかしい素晴らしい国であること」を初めて認識した次第だ。
一般的に言うと、北アフリカには世界最大級のサハラ砂漠があって、文字通り「乾いた白い国」のイメージが強いが、説明を聞いているうちに、それが単なる〃思い込み〃であることを知る。
かいつまんで、その場で仕入れた情報をお伝えすると、首都はラバト(最大規模の都市はカサブランカだが)。通貨の単位はディルハム(DH)と言い、だいたい1DHが10円。
早くから民主化の政策を推し進めていたおかげで、チュニジアやリビアのような〃内乱〃も起きることなく、経済面も含めて国情は極めて安定している、という。
一番ビックリしたのは国民の若さ。平均年齢が25.8歳というから、いかに活力に満ちた国家であるかよく分かる。
さらに驚いたのは、日本で消費されているタコ、イカ、マグロに加えてマツタケまでも、その多くがモロッコ産である、とのことだ。
地理的には、ジブラルタル海峡をはさんで対岸のスペインとの距離はわずかに14㌔。ということは、島原-熊本より遥かに近い!まあ、行ったこともないので仕方がないが、世の中ホント知らないことだらけだ。
ただ、大使館スタッフの最後の説明に俄かに耳をそばだてた。「モロッコでは登山(スキー)、ゴルフ、海洋スポーツが一度に楽しめますよ」。
ちょっと待って!島原半島でもスキー以外は十分に可能だ。モロッコとの距離がグーンと近まった瞬間だった。
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