日本の行く末に懸念…「祖国」を知らない大学生
どうしたことか、筆者の周囲ではいま「出産ラッシュ」が続いている。と言っても、まだ一人も産まれたわけではないが、新旧の社員・スタッフ合わせて計4人が正月を挟んで「臨戦態勢に突入!」といった雰囲気なのだ。
何はともあれ、この「少子高齢化社会」の中で新たな生命が誕生することは、めでたい限り!母子ともども、無事を祈るのみである。
先ごろ発表された人口動態調査の結果では、世界の総人口がついに70億人の大台を突破した、とのよし。これに反して、我が祖国(日本)ではついに「減少傾向に転じた」と伝えている。
少し長くなるが、こういうことだ。昨年10月1日現在、日本人の総人口は1億2千535万8千854人で、5年前の国勢調査時点と比べて37万1千294人(0.3%)減。
ただし、外国人約164万人と〃国籍不詳〃の約105万人を加えた総人口は、1億2千805万7千352人で、前回より28万9千358人(0.2%)増えている、とも。
こうした傾向から窺えるのは、今後は益々我が国内でも「国際化社会」への転身に拍車がかかっていくだろう、ということ。それが良いことなのかどうかは分からないが、先ごろ講演を聴いた青山繁晴さん(国際政治学者)がこう嘆いていた。
「最近の大学生を相手に『祖国』という表現を使っても、ピンとくる人間は余りいない。一体何を平和ボケしているのだろう」。
同氏の講演内容(痛快無比!)についてはまた別の機会にでも支障のない範囲で紹介できればと考えているが、国会議員諸氏がこれ見よがしに背広の襟に付けている「ブルーリボンバッジ」の話は殊更印象に残った。
「勘」の鋭い方ならすでにお気付きのことだと思うが、それは「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(横田滋代表・略称「救う会」)が出しているものだ。
同氏は会場の聴衆に向かって畳みかけるように問い掛けた。「この『青』はどういう意味?」。誰かが答えた。「海の色かな…」。「そう、理不尽な理由で家族を奪われた、悲しみ一杯の『日本海』の色です」。
そして、こう続けた。「マルチ商法の会社から献金を受け取っているような国家公安委員長がこのバッジを付けていることの不可解さ。敗戦という意味では同じ立場のドイツにしたって、今の日本のような弱腰外交はしない。まったく我が祖国はどうなっているのか?」―。
昨3日の「文化の日」。我が家ではごく普通の感覚で祝日には「日の丸」を軒先に立てているが、市内でそうした光景を目にすることは極めて稀だ。人口の増減はともかくとしても、「祖国」の存在意義を考えることは思想・信条の問題より先決だと思うのだが…。
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