2011/11/14

「鯖を読む」の語源?…威風堂々の前田・霧島市長

「サヴァ」と尻上がりで微笑みかければ、フランス語で言うところの「こんにちは」や「ごきげんよう」といった意味になるが、我々が日常使う「サバ」の場合は、あの青魚の代表格「鯖」のことだ。

ただし、青魚だからと言って馬鹿にしてはいけない。大分県沖の豊後水道で獲れる「関サバ」はその辺の「タイ」そこのけの高級魚であることは、すでに皆様ご承知の通りだ。

実は私めも一度だけ、その「関サバ」を腹一杯ご馳走になったことがある。場所は東京・築地の日本料理店。もう10年以上も前の話だが、その頃羽振りの良かった学生時代の友人が「ようこそ東京へ!」とカードで奢ってくれた。

氏によれば「築地だからまだこの値段。これが勝鬨(かちどき)橋(ばし)を渡って銀座エリアに入ると、ゼロが1つ多く付く」ということだったが、真偽のほどは判らない。

ところで、今日取り上げようとしているのは、そうしたグルメ志向の話題ではない。「鯖を読む」という、我々がふだん何気なく使っている言葉について、である。

語源を調べてみたら、「鯖は痛みやすく数も多かったため早口で数えられ、実際の数と合わないことから、いい加減に数を数えることから転じた」というのが〃定説〃のようだ。

では、実際に「鯖を読む」事態を考えてみると―。卑近な事例では、デビュー間もない女性タレントなどがよくやる手で、実年齢より2、3歳少なめに公表したりする。

それからこれもごく一般的な手法で、身長を5センチほど高めに言う。芸能人に限らず、スポーツ選手にも比較的多いようだ。

まあ、いずれも「人気商売」だけに、背に腹は代えられないのだろうが、同じ「人気商売」でも政治家の場合はどうだろう。選挙の際に学歴や年齢を偽れば、直ちに「詐称」の烙印が押されてしまうが…。

なら、身長は許されるのか?自信を持って言えるわけではないが、恐らく大丈夫だ。何故そう思ったのかと言うと、雲仙市の姉妹都市である、鹿児島県霧島市の前田終止(しゅうじ)市長の〃ある告白〃を実際にこの耳で聞いてしまったからだ。

場所は現地の京セラホテル。同市長は、全国から集まった約200人のケーブルテレビ関係者を前に、色鮮やかな法被姿で現れ、威風堂々とこう挨拶された。

「私の名刺には身長158センチと印刷されていますが、実際はそれより1.5センチほど縮んでおります。その代わり、体重はその数字(60キロ)より3キロほど上回ってますが…」と。

これには一同〃大爆笑〃。さらに次なる言葉がトドメを刺した。「私の名刺を貰わなかった方は、必ずと言っていいほど交通事故に遭うんですよ」―。

この一言はまさに霊験あらたかで、壇上を降りた同市長の回りにはすぐに人垣が出来た。それにしてもユニーク極まる市長さんだ。続きはまたいずれ…。