ことしは断捨離で!…主役は「モノ」でなく「ヒト」
明けましておめでとうございます。ことしも「島原新聞」、並びに「カボチャテレビ」「FMしまばら」をお引き立て下さいますよう、どうぞ宜しくお願い致します。
おかげさまで、本欄も連載1000回目を迎えることができました。これもひとえに、読者の皆様方のご理解とご支援の賜物でございます。改めて心より深く御礼を申し上げる次第です。有難うございます!
さて、新しい年における筆者の〃生活信条〃を発表致します。私は2012年を「『断・捨・離』実践の年」にしたい、と考えております。「断捨離(だんしゃり)」とは耳慣れない言葉ですが、2年ほど前から各方面で大変な反響を巻き起こしている、新しい「片づけ術」のことです。
提唱者は石川県金沢市在住の主婦、やました・ひでこさん。自らを「クラター・コンサルタント」と名乗られています。「クラター」もまた初めて耳にするような珍しい言葉ですが、英語で「ガラクタ」という意味だそうです。
やましたさんが著した『新・片づけ術 断捨離』(マガジンハウス)は数十万部を売り上げるベストセラーとなり、姉妹本の『俯瞰力』(同)もそれに劣らぬ勢いで売れ続けています。
余談ですが、やましたさん(東京生まれ)は筆者より1歳年上で、どうやら大学(同学部)の先輩のようです。写真等で見る限りなかなかの〃美形〃なので、学生時代に出会いを逸したことを今になって悔やんでおります。
本題に戻ります。「断・捨・離」の元々の考え方は、ヨガの「断行・捨行・離行」に由来するそうです。平たく言うなら、「欲望」を断ち、「執着」から離れるための「行法哲学」だ、と。
ヨガと言えば、「心身統一法」を唱えた中村天風師(1876~1968)のことを思い起こしますが、やましたさんの教えの特徴はあくまでも〃主婦感覚〃にある、と言えるでしょう。
少し考えただけでも、我々の身の回りは日々大量に生産される「モノ」で溢れ返っています。街には各種スーパーや量販店が軒を並べ、田舎に居てもネット通販で「欲しいモノ」はすぐにでも手に入ります。
結果、会社や家の中は「モノ」「モノ」「モノ」…の大洪水です。少し前にはテレビや雑誌等で「収納術」の重要性がもてはやされ、通販番組で押し入れ用の衣装ケースの利便性が喧伝されていたという記憶がありませんか?
やましたさんは「『モノ』が主役ではない。その中心にあるべきは、あくまでも『ヒト』である」と、繰り返し説かれています。
つまり、モノが入ってくる前の段階で「それが本当に必要かどうか?」を徹底して吟味すること。これが「断」というステージ。次なる「捨」では、文字通り思いきって捨て去ることの〃予期せぬ効用〃を、具体例を挙げながら紹介されています。
この2つの連動した「行為」を通して得られるのが「離」。これらを倦まず弛まず実践していけば、精神的にも〃落ち着き〃が感じられるような心理状態になれるのだ、と。
詳しくは同書を読まれれば、「なるほど!」と感じられるようなフシが幾つも出てきますので是非ご購読いただきたいのですが(最近はビジュアルムックも出ている)、筆者がより注目したのは第2弾の「俯瞰力」という言葉です。
我々が日々暮らしていく中で、或いはまた、事業経営に当たっている過程で、ややもするとおざなりにしてしまっている視点が、この「俯瞰力」ではないでしょうか?
よく「物事は虫の眼、鳥の眼双方で見ないといけない」などと言われますが、えてして人間は細かなことばかりに気を取られ〃大局観〃を忘れてしまいがちです。そんなことでは愚かな過ちを繰り返してしまうことにもなりかねません。
やましたさん曰く「『断捨離』で得られる『力』=『俯瞰力』だ」と。しかし、これとて一朝一夕で身に付くほど簡単な〃能力〃ではありません。
ただ、我々が日々の身過ぎ世過ぎを重ねていく中で、「少しだけ気に留め、(断捨離を)地道に実践していく」ことで、未来の在りようは大きく異なったものとなることは請け合いでしょう。
いかがですか読者の皆様。年末の大掃除は済まれたことだと思いますが、ひょっとして未来永劫使うはずもない「ガラクタ」を再び大切に仕舞い込んだりはしていませんか?
やましたさんによれば、「これからは『足し算』ではなく『引き算』の視点こそが生活実感をより豊かなものにしてくれる。その素晴らしい実例を高野山で観た」ということです。
もうお互いに「モノ」や「カネ」ばかりに振り回されるような、暮らしぶりは止めにしましょう。要らないモノはドンドン捨てて、スッキリした気分で快適な「島原ライフ」を送っていこうではありませんか!
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