2012/02/19

「横軸」の連携強化を…東日本大震災でも判った

〈世はすべて『縦』と『横』で成り立っている。目や口は横、鼻は縦でしょ。それが逆になったら大変!女性はまともに歩けなくなってしまう〉

こんな〃艶話〃で聴衆をドッと沸かせてくれるのが合気道の名人にして、中村天風門下の一番弟子、佐々木の将人(まさんど)先生だ。

一度でもこの先生の講演を聴いたことのある人なら〃抱腹絶倒〃してしまうこと請け合いだが、「言われてみたら、確かにそうだ!」と今更ながらに思う。まさに〃言葉の力〃である。

先ごろ、コミュニティFMラジオの研修会で、東北地方からお招きしたお二方の講演を聴く機会を得た。いずれも、それぞれの地方で一家を構えるCFM局の社長さんだ。

幸い、地理的な環境で大震災(3・11)による直接被害を受けてはいないそうだが、発生から1年が経とうとする今でも〃我が事そっちのけ〃で、被災局の支援活動に走り回っている、という。

お二人共通してしみじみと語っていたのは「横軸連携」の大切さ。ご存じの通り、先般の大震災では太平洋に面した岩手、宮城、福島3県の沿岸域を中心に、「縦軸」ラインで被害が拡大していった。

そうした中、お二方がとった行動は―。ひとまず、各地の避難所に被災状況や安否などの行政情報を知らせるための電池式の携帯ラジオ(全国のCFM局に支援を呼び掛けて集まった)を届けること。

そのためには昼夜を問わず〃山越え〃で車を走らせなければならない。言うならこれが「横軸」で、ガソリンの調達と併せて大いに苦心惨澹した、という。

翻って、我が九州。その大震災と期を同じくして開業した九州新幹線(鹿児島ルート)の「縦軸」は今や〃大〃の付く人気を集めている。

もちろん一番の〃開業効果〃を実感しているのは福岡、鹿児島の両都市であることは明らかだが、今年4月に念願の〃政令指定都市〃となる熊本市が黙っているはずがない。

縦軸の〈新幹線〉に対する、横軸の〈島原~熊本~別府~延岡ライン〉を強化する壮大な「観光振興プロジェクト」がいよいよ産声を上げた。

流行りのサッカー用語で言えば「キックオフ」ということになろうが、その記念すべき1回目のシンポジウムが今月6日、JR熊本駅前の「くまもと森都心プラザ」で開かれた。

当初、筆者は参加するつもりはなかったのだが、冒頭の会議でご一緒した熊本シティエフエムの社長さんから「是非出てこい!」との強い要請を受けた。

結論から言うと、とても有意義であった。島原市の横田修一郎市長をはじめ他3市長の〃戦略話〃をじっくりと聴かせていただいて、「横軸の連携強化こそ島原の生き残る道だ!」と実感した次第。

-つづく-