2012/03/20

資生堂の〃社会貢献〃…24節気で生き抜く術を!!

唐突だが、最近は社会貢献分野における資生堂(本社・東京)の活躍が際立っているように思う。そんな〃感慨〃に浸っているところに、島原市出身で同社OBの中道利治さんから住所変更のお葉書をいただき、「これも何かのご縁」という〃気〃がしている。

一般的に資生堂と言うと、高級化粧品のイメージが強いが、スタートは我が国初の「洋風調剤薬局」だという。福原有信氏が明治5年に、銀座で店を開いたのが始まりだそうだ。

以来、1世紀半近くにわたって〃王者〃としての歴史を脈々と刻んできているのだが、つい何年か前には新興他社の廉売攻撃を受け、かつてない〃苦境〃に晒される一幕も…。

そんな中〃社運〃をかけて世に問うたのが、「TSUBAKI」という名の高級ヘアケア商品。美貌で鳴る人気女性タレントを次々とCMに登場させ、一挙にトップシェアを獲得したのは有名な話。

古い人間なら資生堂のブランドイメージは、何と言ってもあの「花椿」マークだが、調べてみると、一時期それを取り止めていたことがある、という。

皮肉にも、それを境に凋落傾向に拍車がかかったと言うから、この辺りの事情は「鶴」マークをいったん引っ込めて、再び採用することで〃運気〃を取り戻しつつある日本航空とダブって見えないでもない。

さて、その「椿」の話だが、長崎県下では五島列島が昔から「椿油」の産地として有名だ。同社はそこに着目し、最近は現地の人々と一緒になって植栽に取り組むなど、傍目に見てもなかなか素晴らしい企業活動を展開している。

他所事だが、これを〃社会貢献〃と言わずして何と言おう。また、本県内に限らず、発生から1年が経過した東日本大震災でも、日本財団などとともに被災地の復旧・復興に援助の手を差し延べているそうだ。

これは先ごろ新潟県で開かれたコミュニティFM放送関係者の集まりで、実際に被害に遭った局の経営者から〃生の声〃として直接伺った。

振り返ってみると、島原でも「ミネ㈱」(化粧品店・中堀町)の峯潔社長の肝いりで、作家の桐島洋子さんをはじめ、同社幹部スタッフの方のお話を聴く機会を作っていただいたことがある。

桐島さんが講演で取り上げたテーマは確か「『気』について」であった、と記憶している。もう20年くらい前の話だが、たまたま最近買い求めた創業者の孫に当たる福原義春さん(名誉会長)の本がこれまた実に素晴らしい。

題名は『季節を生きる』(毎日新聞社)。世界に冠たる我が日本の四季を、「二十四節気・七十二候」の解説とともに、生きる術(ヒント)をさりげなくひも解いて下さっている。

ついに〃前置き〃ばかりで終わってしまったが、20日はそれで言うところの「彼岸の中日」(春分の日)である。皆さん、牡丹餅(ボタモチ)を食べましょう!