2012/04/11

経営は横軸と縦軸で…妻には「ありがとう」を

ついに目の上のタンコブだった「準」の一文字がとれた。結果、島原倫理法人会(橋本卓也会長)が9日、社団法人倫理研究所(丸山
敏秋理事長)の認可を得て、正式に発足した。

詳しいことは本紙T記者の書いた記事を読んでいただくとして、不肖・筆者めも会員企業数101社にも及ぶ大世帯の〃監査〃という大役を仰せつかることになった。

よくこういう場合には、「身が引き締まる思い」などと殊勝な言葉が聞かれることが多いが、正直さほどの緊張感は?などと思っていた。ところが…。

仕事の都合でギリギリの会場入り(ウエディング石川)だったから、予行演習などする余裕はなし。お世話係の北浦誠治君(北浦石油店)が「とにかく整列して、前の人がするように動くこと!」とアドバイスをくれたので、ひたすらそれに従った。

筆者のすぐ前は松本裕介君(松本仏壇店)。体格が良くて、筆者より首一つ背が高い。〈何だか歴史の教科書に出てくる風刺絵のみたいだなぁ…〉などと自虐的な気分に浸っているうちに名前を呼ばれた。

やや上ずった声で「ハァイ」と返事はしたものの、手足の動きがどうにもぎこちないのが自分でもよくわかる。が、もう後へはひけない。松本君がしたように返事の後でまず一礼。続いて、横田市長をはじめ来賓4氏の前でさらに一礼。でもって壇上へ。

背後の100名余の視線が気になる。〈いやいいや、誰も俺のことなんか見ているはずがない…〉と気を取り直してチャレンジ精神で挑み、何とか無事に「辞令」をいただいた。

と今度は、もう何十年もやったことがない「回れ右」の動作。〈まず右足を左斜め後ろに引いて云々〉と考える暇もなく、よろけそうになりながら正面を向いた。

ひょっと居並ぶ面々の仕種を見ていたら、全員誇らしげに辞令書を胸の前で広げている。どうにも一テンポずれる。階段を下りた頃には、さすがにグッショリと汗をかいていた。

横田市長をはじめ来賓3氏の祝辞のあと記念講演に立った、同研究所法人部九州方面長の川又寿久さんの話は、これまでに幾度か聴いているが、今回もまた素晴らしかった。

時間にしてかっきり30分。物質文明、情報化社会の中での「倫理」の効用を説き、「和」や「賜物」などといった先達の日本人が後世に遺してくれた貴重なDNAの美徳について熱く語られた。

また、会員諸氏の最重要課題である「経営」に関しては、字面をもとに《経=縦軸・徳》《営=横軸・才》と喝破。何の為に自分達の企業が存在しているのか(経営理念)をまず明らかにせよ!と諭した。

結びは夫婦道。妻に対しては「ありがとう」の声掛けを事あるごとに実践しなさい、と〃経験則〃に基づいた忠告。会場から万雷の拍手が寄せられていた。