続・トマトのはなし…〝逆境〟で自分を磨こう!!
日本語では「トマト」と発音するが、英語の米語読み(発音記号)では「トゥメイトゥ」ではなかったか?まあ、それはともかくとしても、前号でも触れたように、そもそもの〝原産地〟は南米・アンデス山脈と言われている。
酸素濃度が希薄な高原地帯の荒れ野が元々の古里であるから、トマトはジャガイモとともに〝逆境〟に強い野菜である。そこに目を付けたのが小田浩爾さんや、その畏友(大学時代)の永田照喜治さん(「緑健農法」の主唱者、天草出身)というわけだ。
この農法については、聞けば聞くほどに、奥が深いという気がする。つまり、収量を増やすために水や肥料などを大量に施すのが一般的な栽培方法であるが、直截に言えば、全くもってその〝逆〟をいく。
敢えてそうした厳しい環境を創出することによって、植物の〝本性〟がむき出しになる。 結果、得も言えぬ〝深い味わい〟が導き出されるという筋書きなのである。
小田さんによれば、永田さんは野菜の世界に初めて〝糖度〟という指標を持ち込んだ人物だそうだ。また、別の機会にラジオ番組で聴いた話によれば、糖度の高い高島産のトマトの表面には、薄っすらとした繊毛(せんもう)が生えている、とか。
それは、根っこの部分から吸収できる水分量が少ないために、空気中に含まれる微量の水分を表皮から吸収するためだ、とも。筆者の勝手な想像だが、人間も植物も必死になれば、生き抜く術が必ず見つかるという、貴重な〝教え〟でもあろう。
ただ、話は変わるが、トマト自体はどちらかと言えば大人向きの味だ。したがって、世の中には食わず嫌いの子供たちがゴマンといるようにも思う。
かく言う筆者でさえ、「体に良い」と聞かなければ、積極的に食べたいとは思わないが、一つだけ確実に食欲をそそる〝演出〟の方法がある。
それはいとも簡単で、氷の上にトマトを置いておくだけ。出来れば氷は砕いておいた方がより効果的だ。ある時間を過ぎると、トマトの表面に水滴が付き、見た目にも涼しげで、とても美味しく感じられること請け合い。
〝食育〟とやらが昨今の流行りらしいが、どうやったら苦手な食べ物を子供たちに食い付かせるかを考えるのも、ある意味、大人の側の責任でもあろう。
結論!好き嫌いや我がままを言わず、果敢にチャレンジしていく精神にこそ、この混迷の世を生き抜いていく智慧が潜んでいる。そう思う。
【蛇足】ホテルのレストランが一流であるかどうかの見分け方。 一流所の朝食会場(ビュッフェ)では、プチトマトのヘタの部分がきちんと取り除かれているそうだ。真偽の程はさておくとして、一見の価値ありでは…。
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