2012/07/19

月の砂漠を遥々(はるばる)と…裕次郎さん逝きて早25年

これまで「ユーチューブ」なるもので楽曲を聴いたことなどなかったが、今やハマりにハマっている。こんな商売をしていて恥しい限りだが、紛うことなき〝事実〟なのである。

で、何を聴いているかと言うと、今風のK―POPやAKBなどではない。大半は懐かしの石原裕次郎メドレーである。関連して、弟分の渡哲也バージョンにも触手を伸ばしている。

一番のお気に入りは、裕次郎さんがアカペラで唄っている『月の砂漠』だ。これがたまらなく素晴らしい。感動の余り、本当に涙が滲み出てくるのだ。

《①月の砂漠を はるばると 旅のらくだが 行きました 金と銀との くら置いて 二つ並んで 行きました…♪》

幼い頃より幾度も耳にしていた曲だったので、何となく聞き過ごしていたのだが、意識して口ずさんでいるうちに、詞そのものを間違えていることにハタと気付いた。

《②金のくらには 銀のかめ 銀のくらには 金のかめ 二つのかめは それぞれに ひもで結んで ありました…♪》

記憶では《金のくらには 王子さま 銀のくらには お姫さま…♪》だったはずだが、調べてみたら勘違いもいいところで、まさに赤面の至り。もうこれ以上書いても限(きり)がないので打ち切るが、げに怖ろしきは〝思い込み〟か。

話のついでで恐縮だが、昨日(17日)はその裕次郎さんの命日(昭和62年没)だった。その事はたまたま日帰り出張の帰途、有明フェリーの船中で観たテレビの歌番組で知った。

享年52歳とは余りにも若過ぎるが、一方で常人の何百、いや何千、何万倍にも匹敵する〝面白い人生〟だったはず。だからこそ、最後に「我が人生に悔いはない…♪」と唄って旅立たれたのであろう。

豪雨一過の有明の海は茶色く濁っていたが、夕焼けの空はやけに美しかった。筆者は同行の社員に気付かれないように、そっとデッキに出た。

体型も顔立ちも年齢も何もかもまるっきり異なるが、気分はもうすっかり〝裕次郎〟である。周囲に誰も居ないのを見計らって、ひたすら裕次郎メドレーを歌いまくった。

多比良港に着いた頃には、もう夜の帳(とばり)が落ち始めていた。持参していたアイパッドを開いて「ユーチューブ」で聴こうかと思ったが、さすがに気がとがめ、家まで我慢することにした。

ところが、自宅近くまで辿り着いたところで急きょ〝外食〟と相成り、その機会を逸した。一夜明け、朝食を摂りながら思う存分「ユーチューブ」に聴き入っていた。

と突然、嫁姑の天敵二人から横槍が入った。「何ね、朝っぱらからしんみりした曲ばかけて。それに行儀も悪かよ!」。

さあ今日も、砂漠の行軍のような過酷な一日が始まった。明日も、明後日も…か。