キナメの語源ついに!!…古語に由来する島原方言
ガハハッ…。NHKの名物プロデューサーだった故・和田勉さんの高笑いが聞こえてきそうな、スカッとした文月(ふづき)最終日の天候だ。季節柄、暑いのは仕方がないが、やっぱ夏はこうでなくちゃ!
こんなハレの日に「ゴキブリ」の話題を再び持ち出して恐縮だが、とうとうその〝語源〟が明らかになった。しかも、島原地方の方言「キナメ」のそれも判ったのだから、合わせて一本の〝金メダル〟だ。
ご協力をいただいたのは、前島原市教育長の宮崎金助先生(古丁在住)。浅学非才の筆者の呼び掛けに対して、的を射た、実に簡明なるご回答を頂戴して、気分もまた〝日本晴れ〟なのである。
先ず「ゴキブリ」の方からいくと―。古くは「ゴキカブリ」と言って、「御器齧(ごきかぶ)り」の字を充てていた、という。
それが明治の世になって、ある昆虫学者が「カ」をうっかり抜かしたまま表記したことから、「ゴキブリ」という呼称が定着したのだそうだ。
なるほど!なるほど!では、「キナメ」の場合はどうか―。先生の推測によると、「キ」はすなわち「器」(容器の意味)で、それを「舐める」(=齧る)から来ているのでは…と。
2枚の便箋にびっしりとペン字で書かれた、懇切&丁寧なる解説文を読ませていただきながら、筆者の疑問はものの見事に〝氷解〟した。恐らく、読者の皆様も同じ思いだろう。
ところが、である。「ゴキブリ」はともかくとしても、最近の若者たちは「キナメ」という方言そのものを知らない輩が多いようで、むしろそちらの方にビックリする。
現に、筆者の周りにいる30代以下の連中に聞いても、「キナメって何ですか?」とキョトンとした顔をしているのだ。
そうした実情を、先生はこう嘆く―。「島原地方の方言は多く〝古語〟に由来しているのに、ここ30~40年の間に段々と使われなくなってきている」と。
具体的事例として取り上げられているのは「ドンク」と「クチナワ」。答えを先に言うと、前者はフランス語のような響きであるが、実は「カエル」のこと。後者は筆者も大の苦手としている「ヘビ」の古称だ。
さてさて、そんな古い〝言い回し〟もすっかり念頭にない最近の子どもたちだが、夏休みは存分に楽しんでいるだろうか?
極めて個人的な感慨だが、昔はこんなに多くセミはいなかったのでは?なんとなれば、見つけ次第にアミや素手で捕獲していたし、ひょっとして農薬等の影響も少なくなってきているのでは?
そんなこんなを思い浮かべながら、目の前の木の枝を眺めていると、無数のクマゼミがせわしなく腰を動かして鳴いている。特段意味もなく、ちょっとだけ恥しくなった!?
0 Comments:
コメントを投稿
<< Home