2012/08/31

島原人は善人ぞろい…〝初恋の味〟思い出して…

率先して「法」を遵守すべき立場の警察や司法関係者、果ては公務員、政治家など、いわゆる社会的エリートと呼ばれる人々の「ふしだらな行為」が、連日のように新聞をにぎわしている。

だからこそ報道関係者はよりしっかりと「監視の眼」を光らせておかねばならないところだが、こちらの方の「不祥事」も後を絶たないようで…。

ちなみに、30日付け長崎新聞の社会面を眺めてみると、大阪地裁の27歳の裁判官が、スマートフォン(多機能性携帯電話)を使った「スカート盗撮容疑」で現行犯逮捕されている。

おい!おい!世の中は一体全体どうなっているんだ!?と嘆きの一つも吐きたくが、これが現代ニッポンの紛うことなき「現実」なのである。

前置きが長くなってしまったが、そんな世の中だからこそ「心温まる話」に期せずして巡り会えた時には、なぜかホッとする。得意とする(いや、これしかないか…)身近な話題から―。

我が社の社員A君が先日、とあるクレーム処理でお客様のもとを訪れた。特段、難しい対策など必要はなく、一通りメンテ作業を終えて立ち去ろうとすると「まぁまぁ、お茶でも」という展開になったそうだ。

目の前に出されたのは牛乳にも似たような乳白色の液体。「カルピスか。懐かしいなぁー」と思って、まずは一口ゴクリと飲んだが、いかにも濃い。いや、濃過ぎる!

ここから先、A君のとった行動が素晴らしい。「お客様の折角のご厚意を一滴たりとも無駄にしてはならじ!」と、無理を重ねながらも全部飲み干した。

しかし、相手はいかんせん100%の「原液」。さすがのA君の胃袋もついにはこらえ切らず、営業車に置いていた日本茶のペットボトルをがぶ飲みすることで何とか「希釈」(きしゃく)を果たしたのだそうだ。

話はまだ続く―。明けて翌日、今度はそのお客様の家族の方が弊社のカウンターを訪ねて来られた。手には、件(くだん)のカルピスの2本入りセット。

そこで応対した女子社員に対して開口一番!「Aさんはいらっしゃいますか。お世話になったお礼にカルピスを持参しました。今度は水で割って飲んで下さいね…」と告げられて颯爽と帰られた、とか。

後でその話を聞いて、筆者は思わず胸が熱くなった。「供されたものは残らずいただく」というA君の心根も立派だが、わざわざ弊社までお運びいただいたお客様の〝心配り〟にも心から感謝&感激だ。

世の中、本当に厭なニュースばかりが続いているようだが、島原にはまだまだこんな「美談」が脈々と息づいているかと思うと、何だか嬉しくなってしまう。

カルピスの売りは昔から〝初恋の味〟。司法試験を突破したエリート君にも、パンツなど覗こうとせず、是非その味を思い出して欲しい。