出発早々島鉄車内に…山陰の暑さは異常であった
ふだんから「物忘れ」がひどいのに加えて、連日のこの「猛暑」。もはや筆者の脳味噌は完全に狂ってしまっているようだ。
やれ(腕)時計がない、名刺入れを失くしたなどは日常茶飯事。今のところは100%に近い確率で手元に戻って来ているので、ラッキーと言えばラッキーな方か。
ただ、1週間ほど前の「失態」には焦った。スマートフォン(スマホ)を使った緊急告知サービス(FM++)の記者会見後、前々から約束していた山陰出張に慌ただしく出掛けたまではよかったが、何と島鉄列車内に背広(上着)を置き去りにしてしまっていたのだ。
気付いたのは諫早~博多間の特急「かもめ」の中。時刻は8時を過ぎていたであろうか…。恐る恐る南島原駅に電話を入れたら「濃紺の背広ですね。預かっておきますから、取りに来て下さい」との返事。
その言葉を聞いた途端、何だがもう「一仕事」終えたような気分になって竹輪をかじり、缶ビールで流し込んだ。
その晩は博多駅前のビジネスホテルで一泊。大事なお客様(初対面)と会うのに上着が無くてもよいものだろうか…という懸念は次の日まで残っていたが、目的地の米子駅に降り立った途端、それはまったくの〝杞憂〟であった。
島原なんかより遥かに暑いのだ。体感温度でいくと、38度くらいは優にあったと思う。
出迎えていただいた先方の皆さんも全員半袖姿であったし、「米子の夏は毎年こんなんだが」といたって涼しげな表情。特段、言い訳するまでもなかった。
米子市は鳥取県西部(島根県境)に位置する人口約15万人の商都。昔から交通要衝の地として栄えていた、という。
『ゲゲゲの鬼太郎』ですっかり有名になった境港市とも近く、最近では県を挙げて「漫画」による地域起こしに取り組んでいるそうだ。
今回の出張の目的はそのことを取材するためではなく、俗に言う「研修」。ただし、その間口は広く、業務に関する話ばかりではなく、街づくり全般に関して有意義な〝耳学問〟をさせていただいてきた。
我が島原半島とほぼ人口規模が匹敵するこの街ではいま、産・学・官が一体となった、とてもユニークな各種プロジェクトを進行中だ。
差し障りがあったらいけないので詳細は省くが、とにかくすべての面において、 皆さん〝前向き〟なのには驚いた。そして、その蒸し暑さにも。
その感激を忘れないうちに早くお礼状を出さねばと思って、名刺入れを探したが、今度はそれがない。やっとのことで見つけ出して事無きを得たのだが、呆れかえった表情の家人の次の一言が胸をえぐった。
「いっそんこつ、戻る家の住所ば忘れたらよかったとに…」。
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