ガマダス花火は続くぞ!!…〝流言飛語〟に惑わされるな
20周年の〝節目〟を記念して1万発が打ち上げられた「島原温泉ガマダス花火大会」(外港一帯・観客5万人)から一夜明けた31日、その盛り上がりぶりに冷水を浴びせかけるような不埒な噂話が駆け巡った。
筆者のもとにも、何本か問い合わせの電話が寄せられた。要約すると、「島原の花火大会は今年で終わり。その〝フィナーレ〟の意味を込めての1万発だった」というもの。
「まさか?」とは思ったが、飲みに行った先のスナックの女性までも真顔でそう言うものだから、明くる1日朝、確認の電話を主催者の水元敦実島原温泉観光協会長に入れた。
同会長は開口一番、「私の耳にも届いているけど、まったくもって事実無根で、怪しからん話だ」と真っ向から否定。
その上で、「確かに今年は〝記念大会〟だったので多少は無理をしたが、例年並み(6千発)の規模なら、もちろん今後もずっと続けていくつもり」と、キッパリと言い放った。
筆者自身、その力強い〝継続宣言〟を聞いてホッと一安心したわけだが、同時に、一体誰が、何のために…。何かしら背景があるのだろうか?」などとの素朴な疑念も拭いきれないまま。
そんな思いでいたところに、今度は同会長からの着信。そして曰く。「これはあくまでも憶測だが、島原城の石垣修復に多額の経費(観光関連予算)を要することなどから、誰かがもっともらしく吹聴したのかも知れない」と。
同大会を取材した弊紙記者の話によれば、開催予算の7割強は自主財源(民間有志などからの寄付を含む)で、残りの足りない分を市から助成してもらっている、とか。
そこまで明白な、民官一体となった〝構図〟で運営が支えられているというのに、関係者に心配を与え、果ては市民や観光客の不安を煽ってまで一体何が楽しいのだろう…。
〝日本一〟との呼び声が高い新潟・長岡市の花火大会(信濃川河川敷)を数年前に一度見せていただいたことがあるが、その際、何より感心したのは地元の人々の〝熱気〟の凄まじさ。
「たとえ会社が赤字でも、花火大会への協賛だけは惜しまない」―。地震災害の余韻も冷めやらぬ中で見せつけられた、光と音の一大野外劇。
一言でいうなら、そこで観客が固唾をのんで見守っているのは、地域住民の〝心意気〟に他ならない。だからこそ、無類の盛り上がりを見せるのである。
誰かが言っていた。「祭りの形は色々あるが、全てはそこで暮らす人々の元気のバロメーターだ」と。
今回の〝流言飛語〟の類いがどのように発生し、伝わっていったのか知る由もないが、乏しい財布の中から身銭を切った立場としては、何とも腹立たしい限りである。
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