名月観賞に絶好の地勢…夜更けの原城で西川さんと…
中秋の名月(旧暦8月15日)が必ずしも〝満月〟とは限らない。昨年、某物知りの方から教わったところだが、今年はバッチリ新暦9月30日で一致した。ちなみに、5年前(2007年)は2日もズレがあった、とか。
これは筆者の前々からの〝古里自慢〟の1つだが、有明海に面した島原半島地域は〝観月〟にはもってこいの地勢ではなかろうか?昨夜もその考えに従い、腰の重い家族を説き伏せて夜の観月ドライブに誘い出した。
自宅を出る頃(7時過ぎ)は、まだ東の空には叢雲(むらくも)がかかっていたが、国道57号をどんどん山手(深江&布津境)に向かって進んでいるうちに、クッキリとした満月が姿を現した。
見晴らしの良い所で車を停め、車内すべての灯りを落とした。台風一過の凪(なぎ)の海面に広がる、紗(しゃ)がかかったような幻想的な光景に全員、しばし無言で見とれた次第。
ところで今年は、写真家の西川清人さん(有明町大三東)が逝って早くも丸12年(今月21日が命日)が経つが、存命中はよくこんな日の夜更けに電話をいただいたものだった。
「もしもーし、月が綺麗だなぁー」とだけ言ってガシャン。寝ぼけ眼(まなこ)で着信履歴を確認して「今どこですかー?」と応答すると、「原城あたりでーす」などと笑いながら場所の指示が来た。
車を飛ばして押っ取り刀で駆け付けると、すでに三脚を構えて悠然と撮影に入っている〝師匠〟がいた。月明かりを頼りに、2か所、3か所とポイントを移動。自宅に辿り着く頃には東の空が白んでいたことも度々だった。
残念ながら、最近では仕事や雑事に追われて応募用の写真を撮ることはすっかり無くなってしまったが、昨夜、素晴らしい満月の光景を目に焼き付けたことで、「再びやってみるか!」という気にもなっている。
さて、暦が1枚めくれて今日から10月。弊社は9月決算なので、言うなれば今日が〝元旦〟。朝の会議では〝年頭〟に当たっての訓示を行った。
いつもながらの長々と脈絡を得ない話に、果たして社員諸氏が、どれほどの筆者の〝決意〟を感じ取ってくれたのか全くもって自信は持てないが、この古里の地を皆で力を合わせて守り抜いて行こう!という〝熱意〟だけは伝わったのではないか。
新聞や書籍などの各種情報を探れば、何でも10月1日は「日本酒の日」であり、「コーヒーの日」でもある、という。このほか「法の日」「ネクタイの日」「土地の日」…などというのもあるようだ。
何はさておいても、時節柄、日本酒が美味くなるのもこれからだ。今晩あたりは、こよなく酒全般を愛してやまなかった西川さんを偲びながら〝チャンポン酒〟で「十六夜の月」でも眺めてみるか!?
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