人間は勝手な生き物…目立つ「九州料理」の看板
在東京。3日目。昨夜は大雨警報が発令されるなど波乱含みの天候が続いていたが、一転、今日は穏やかな秋日和だ。
これまでに情報機器関連の展覧会の合間をぬって別主催のセミナーにも出席。取材も3本こなした。従って、決して遊んでいるわけではないので、くれぐれも誤解のないように!
とは言っても〝忙中閑あり〟。田舎者の目には何もかもが物珍しく見えてしようがない。良いも、悪いも、だ。
宿泊先はJR四谷駅にほど近いビジネスホテル。昨朝、散歩をしていたら「清水さんではないですか?」と声をかけられた。
ギョッとして振り返ると、顔見知りの島原市役所の職員さんだった。何でも、県の東京事務所に出向しているとか。「そうか、みんな頑張っているんだな!」と思うと、疲れも一気に吹き飛んだ。
東京の街(都心部)はおしなべて綺麗だ。それもこれも〝潤沢な税収〟のおかげだろうが、その手入れの良さにはいつも、ほとほと感心する。
昨日からの散歩コースとしている迎賓館~学習院初等科前のユリノキの並木の下で大きく深呼吸をしながら進んでいくと、少し先のライラックの植栽の中にヒガンバナが2列、行儀よく並んで咲いていた。
別にこの時点で〝里心〟がついたわけではないが、確か島原城の東堀端でも同じような光景が広がっていた。黄金色の稲穂との対比で見るのも味わい深いが、街中で眺めるのもなかなか乙なものだ。
ところで、旅の楽しみの1つに「食」があるが、最近幾度か東京に出張しながら、やたらと目につくのが「九州郷土料理」「九州直送」などといった軒先広告だ。
決して誇張なんかでなく、主要駅前の居酒屋界隈では、その種の看板やチラシで溢れかえっている。北海道も比較的多い方だが、数からしたら圧倒的に九州が勝っている。
わざわざ島原から上京しているのに「九州料理」でもあるまいと、大概はパスするのだが、裏を返せば、「食の安全性」に対してそれだけ人々の関心が高まっている、という証左でもあろう。
この事からもよく分かるように、人間なんて実に勝手なものだ。口では「東北(特に福島)は原発の影響で大変な状況だから、何とか応援しなくては!」と言いながら、ことビジネスに関しては厳然と一線が画されてしまっているのが現実だ。
本当に同じ日本人として、これでいいのだろうか?という気もするが、消費者の理解と支援があってこそ、はじめて商売は成り立つもの。
大変に難しい問題ではあるが、一日も早く「東北産の食品の安全性」が保障され、多くの人々の口にその味が運ばれることを願って止まない。
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