2013/03/05

日本は「四季の国」…自然で感じる時の移ろい

「2月が〝逃げた〟」などと来し方を振り返っているうちに、早くも3月は2週目に入った。目まぐるしいばかりの〝時の巡り〟にいささか焦りを感じている今日この頃である。

昔は「日進月歩」とか言っていたが、IT社会の拡大に伴い、いつの間にやら、「ドッグイヤー」(犬の1年は人間の7年に相当するという喩え)なる珍妙な表現が生まれ出たのは、ご案内の通りだ。

ところが時代が下ってくると、それでも飽き足らないのか、ネズミまで引っ張り出してきて、「マウスイヤー」(人間感覚の18倍のスピード)なのだそうである。

反論するようだが、そんなことを一々気にしているようでは人間稼業なんかやってはおれない。ましてや日本は世界に冠たる「四季の国」である。

春・夏・秋・冬という「季節」の中にどっぷりと身を置くことによって、人はそれぞれの人生をより味わい深く過ごしていくことが出来るのである。〔偉そうに!?〕

先週末、コミュニティFM関連の会議が福岡市内であって、島鉄高速船を使って出かけた。その折、西鉄大牟田駅までの連絡バスを待っていたら、とある老婦人のグループが指さしている先に最近よく見かける小鳥がいた。

黙って耳を澄ましていたら、その名は「セキレイ」と言うのだそうだ。思い切って尋ねてみたら、「この小太り、そんなことも知らないのか?」とでも言いたげに教えて下さった。

何はともあれ、こちらは一つ知識が増えたので「有難うございます」と丁寧にお礼を述べた。すると、傍らの御一方が今度は「カワセミ」について語り出した。

色、形、大きさ、美しさ…等々について〝熱弁〟はなかなか止まずにいたが、そのうちにバスが来たので、きちんとしたご挨拶も出来ないままに、ハイ!サヨ~ナラ。

会議を終えた後は、いつものように中洲での反省会。毎回、何をどう反省したらいいのかわからないままに後を付いて行くのだが、この晩は関東から〝偉い方〟が来られていたので、4次会(屋台)まで付き合った。

川面に映るネオンの灯りはいつもながら毒々しいが、夜が明けたら、少しは季節の移ろいを感じ取ることが出来るのかも知れないと想いつつ、畔にある予約の宿にチェックイン。

翌日というより当日の朝は、島原に帰ってからの用事を幾つか抱えていたので、夜も明けやらぬうちにうちに起き出してチェックアウト。

JR、島鉄と乗り継いで島原駅で下車。街中を歩けば、辻々には大ぶりの菜の花の飾り付け。白モクレンが開花し、それとシンクロするかのようにセキレイの姿も見える。

伝統の「初市」(霊丘公園)も始まって、島原はいよいよ春本番である。