2013/06/12

「さしこ」で良かった!?…AKB48総選挙結果に思う

昼食のために入った喫茶店でスポーツ新聞を続けざまに読んでいたら、いずこも「さしこ」「さしこ」の大合唱である。馬鹿々々しいとは思いながらも、ついつい読み耽ってしまうミーハーな自分が悲しい!?

そこで取り上げられている「さしこ」とは、今を時めくAKB48の元メンバーで、人気タレントの指原莉乃さん(20)=HKT48所属・大分市出身=のことだ。

別にこのいたいけない少女(見た目)に何の恨みも辛みもないが、周囲の大人たちの〝商魂〟の逞しさには完全に脱帽してしまう。ほとほと芸能界とはコワ~イ所だ。

投票資格をお金で買ってまで「さしこ」に投じられたのはナント15万570票。ホンモノの総選挙でも、確実に当選する〝集票力〟である。

なぜ「さしはら・りの」という名前が「さしこ」と呼ばれるのか知る由もないが、ネットで調べてみたら「さっしー」とも言うらしい。筆者世代で「サッシー」と言えば、海星高校からドラフト1位でヤクルトに入団した(1976年)酒井圭一選手くらいしか思い浮ばないが、はて今頃どうされているのやら?

随分と前置きが長くなってしまったが、昨夜は所用で長崎市内まで出かけて、さる島原の方々と一緒に豪華な夕食をご馳走になってきた。その場で飛び出てきたのが島原弁バージョンの「さしこ」の話。

もう何十年も前のこと。地元の青年団仲間が連れだって〝東京見物〟へと出掛けたそうだ。その折、某料理店で交わされた会話。

「なんば食おかい?」「オラよう知らんけんワンの頼め!」―。なかなか注文が決まらなかったので、業を煮やした店のスタッフがメニューを指し示しながら、「これと、これと、これでよろしいですか?」と畳みかけてきた。

そこで答えたのが、島原弁しか喋れないリーダー格のAさん。大きく首を縦に振って頷きながら「さしこ・・・でよか!」と。全然、通じなかったそうだ。

ほぼ同じメンバー構成で似たような話がもう一篇ある。これはもっと〝傑作〟だ。場所は都心の瀟洒なレストラン。目の前には整然と並べられたナイフやフォーク類。

しばらくしてボーイさんが注文を取りにきた。中に少しだけ気の利いた仲間がいて「取りあえずメニューを…」と、その場を取り繕おうとしたが、間髪を置かず全員が口を揃えた。「オイもそっでよか!」。

NHKの連ドラ『あまちゃん』が大人気である。筆者も大の付くファンで、出来る限りテレビの前に座るように心掛けている。

観ていて感じるのは「方言」の持つ独特の〝温かみ〟。同じ九州出身のよしみで、センターの「さしこ」さんにも頑張っていただきたい、と言っておこう。(※明日からしばらく出張します)