2013/06/03

矢野さん大いに語る⑤…日本人の“美徳”ここに!!

日本は米国に初めて戦争を仕かけた国なんですね。その「先の大戦」では、皇居やニコライ堂、奈良・京都などは空爆から免れました。実は、長崎も原爆投下の対象から外れていました。もともとは小倉だった、と聞いております。

「ジョージ有吉」と言う、ハワイ州の知事になった日系米国人がいます。その人物に関して「一片のパン」という逸話が残っています。それは、氏が進駐軍当時に出会った、7歳の靴磨き少年がとった行動について語った話です。

氏は不憫に思ってサンドイッチを与えました。ところが、少年は食べないで、そっと懐にしまい込みました。「どうした?」。少年は答えました。「家にお腹を空かせた3歳の妹が待っているので、持ち帰って一緒に食べます」と。

その一件で、氏は戦後の日本の復興を確信した、と言います。まさに「分かち合い」「譲り合い」という、日本人に備わった〝美徳〟を象徴する話です。

皆さんにお尋ねします。ここに一万円札が落ちていたとしたら、どうします。皆さんはきっと、警察に届けるはずです。誰も見ていないからネコババしても構わないと思いますか?違うでしょ。

他人の目は誤魔化せても自分自身は騙せません。「いつでもお天道様が見ている」と考えるのが日本人なんです。

「3・11」―東北大震災。その時、日本人がとった行動に、多くの外国人が驚嘆しました。あの東京でさえも、まさに「譲り合い」の精神で交通が混雑することはありませんでした。

日本男児の行動も素晴らしかったですね。「同じ方向ならボクと一緒に歩いて帰りましょう」と、多くの女性をやさしくエスコートしていたそうです。コンビニでは飲料が半額で売られ、トイレを貸し出す民家も多かった、とか。

また被災地では、5700個の金庫(総額23億円)が見つかりましたが、すべて元の持ち主に警察を通じて返されました。よく警察の不祥事がマスコミに出ていますが、裏を返せば、極めて稀な事例だからこそ〝記事〟になるのです。

とにもかくにも、日本人というのは「他の人々の喜びのために尽くす民族」なんです。最近は「個性」や「人権」という考え方がやたらと幅をきかせているようですが、それは教育が安直化している証拠です。「平等論」ほど当てにならない、怪しいものはありません。

そうした日常の中で私たちがすぐにでも出来ることは「あいさつ」です。あいさつすれば、誰とでもすぐに仲良くなれます。その上で、各々の得意技を活かしながら「地域づくり」に励んでいきましょう。

次回、島原に呼んでいただければ、人類普遍のテーマ(?)である「嫁姑」の話をしたい、と思います。
-おわり-