油断大敵の謂れは?…1200年続く「不滅の法灯」
炎天下での参議院選挙もいよいよ最終コーナー。各種世論調査では与党の優勢が伝えられているが、最後に蓋を開けてみないとわからないのが〝選挙〟というもの。
こういう局面でよく使われるのが「
学研から出ている「故事ことわざ辞典」によれば、諸説あるそうだ。そのまま引く。
【その①】昔、中国のある王が家来に油入りの鉢を持たせ、気をゆるめて一滴でもこぼしたら命を断つ、といった説。【その②】ゆったりする意の「寛(ゆた)に」から転じた、という説。ちなみに英語では「安心は最大の敵」と訳す。
どれも尤(もっと)もらしいと言えば尤もらしい解説だが、以前、とある識者より聴いた、「
場所は最澄が開いた天台宗の総本山、比叡山延暦寺。そこの「根本中堂」という所に、1200年前に最澄が灯したとされる「不滅の法灯」が今も途絶えることなく明かりを放っているのだそうだ。
使われている油は、もちろん「石油」ではなく「菜種油」。そして、最澄が遺しているのは、「明(あき)らけく 後(のち)の仏の 御世までも 光伝へよ 法のともしび」という慈愛に満ちた和歌一首。
ただ、そうした最澄の思いを知ってか知らずか、分灯された山形県の「立石寺」(通称・山寺)ともども一度ずつ消えたことがある、という。
いずれも、戦国時代の出来事。延暦寺は1571年(元亀2年)、歴史に名高い織田信長による「叡山焼き討ち」で。
一方、「立石寺」のそれは、さらに遡ること50年。1521年(大永元年)に、同寺が伊達氏に加担したことに怒った最上氏の軍勢によって消失させられた、ということだ。
このネット上の著者によれば、さらにもう数か所、分灯されている寺院があるとか…。そのうちの1つが、世界遺産にも登録されている岩手県の中尊寺なのだそうだ。
同著者はこうした事実を枕にふって、「リスク分散」の大切さを説いているが、まあ、さはさりとて、「決して灯を消してはならない」として日夜緊張を強いられている修行僧の方々の〝ご労苦〟の程に、ただただ頭が下がる。
さて、選挙戦も余すところ後2日。各候補・各陣営、悲願の議席獲得を目指して、大いに情熱を燃やして最後の追い込みに入られていることだろう。
互いの信念同士のぶつかり合いだから「それでよし」としても、当選後にも「その灯」を消すことがないよう〝老婆心〟ながら今から望んでおきたい。おっと、筆者の〝大敵〟は我が家の〝老婆〟であった!?
0 Comments:
コメントを投稿
<< Home