2013/07/22

アベノミクス効果いつ…選挙戦が面白くなくなった

参院選投票日の21日、島原半島は日射しこそ強かったものの、早くも初秋の到来を想わせるかのような穏やかな天候に恵まれた。まだ、夏休み初日だと言うのに…。

筆者は投票を済ませたその足で、買ったばかりのカメラを担いで各地を回った。最初の撮影ポイントは雲仙・南島原両市境の海岸線に屹立する、通称「岸信介岩」。

望遠レンズのファインダー越しにピントを合わせると、ジオパークの見学者と思しきグループがその周辺を巡っていた=写真

岸信介(元総理・1896~1987)と言えば、現総理・安倍晋三衆議院議員の母方の祖父で、島原とも縁の深かった、戦後を代表する〝大物政治家〟の一人として知られる。

遠目にその特徴ある「造形を」見ながら、間もなく悲願の「ねじれ解消」を果たすであろう現総理の「横顔」と重ね合わせて、ふと思った。主要公約である「アベノミクス」(経済政策)の我が地への波及効果はいつの日であろうか?

コバルトブルーに輝く橘湾を右手に見ながら、そのまま加津佐方面へ。景色は相変わらず美しい。

しかし、権田公園から眺める白砂青松の「野田浜」(海水浴場)に、まったくと言っていいほど人影がない。どうしたんだろう?波も静かなのに…。

訝しい思いで通り過ぎて「前浜」(同)へ。さすがにそこには多くの客がいて一安心。勢いをかって、そのまま「白浜」(同)に駆け込んだが、こちらも随分と期待外れの人出のようだった。

ハンドルを握りしめながら何故だろう?と考えた。そして得た結論はいとも簡単。「海開き(20日)の報道(新聞)があったのは前浜だけだった」から。

ことさらに報道の影響力を喧伝するつもりなど毛頭ないが、今次に限らず、各種選挙戦における事前調査と得票結果の相関関係を見比べてみれば、誰しも否定は出来まい。

ただ、一方で味気ない思いもぬぐえない。開票前から結果が判ってしまっているようで、あの選挙戦独特の〝ドキドキ感〟が無いに等しいのである。

こうした傾向はインターネット選挙が進めば進むほど、より顕著になることは明らかだ。果たして、それが良いことなのかどうか…。

そのうち「国民総背番号制」が定着すれば、わざわざ投票所まで足を運ばなくてもよくなるのでは?経費面では大きな〝節約〟にはなるのだろうが、何だかなぁ~。