2013/08/13

沖縄の方が涼しい!?…脱・ヒートアイランドを

週末、すっかり人が居なくなった事務所に戻ると、誰かが自嘲気味にこう語っていた。「果たして今日一日で何回、『暑いですね~』とこぼしたのでしょうか?」と。

他に人影が見当たらなかったので、たぶん筆者に向けられていたのだろうが、意識して数えているわけでもないし、「う~ん」と力の抜けた愛想笑いで誤魔化してしまった。
それにしても暑い!いや熱い!!「立秋」も過ぎたので、そのうち収まるものと期待していたが、今年の夏はとどまるところを知らない。バカだ。この調子だと、盆の3日間も確実に〝ピーカン〟のようだ。

今や「暑さ」に関して言えば、北国も南国も関係ない。北陸や東北でも30度半ばを超す日は珍しくもなんともないし、「かえって沖縄の方が(体感的には)涼しいくらいだ」と、誰かがまことしやかにそう言っていた。きっと、そうだ。

まあ、お金持ちならこんな場合、サッサと避暑地に「涼」を求めに行かれるのだろうが、筆者ごときがせいぜい涼みに行けるのは、クーラーが効き過ぎるほど効いた量販店くらいだ。

ただ、それも長くは無理。第一、同じ店にそんなに居座られるものでもないし、カンカン照りの屋外の駐車場に置いたマイカーは待っている間に〝炎熱地獄〟と化している。

この処置がまたまた厄介で、手始めに窓という窓を全開。開けた途端に、陽炎(かげろう)があがっているのがよくわかる。

近くに水道のホースがあれば、フロントグリル付近に水を撒いて〝急速冷房〟させる手もあるそうだが、そうそう他人様の土地で出来ることではない。

そうして待つことウン十分。何とか車内に居ても支障がないほどに温度が下がったところを見計らって乗り込む。そこで再び実験的に車のボディに手を当ててみると、「アッチッチ」の状態がしつこく続いている、というわけだ。

そもそも、地球全体が温暖化の道をたどっているのかどうかは知らないが、「ヒートアイランド」という現象を引き起こしているのは我々人間に他ならない。

山を切り拓き、海岸を埋め立て、宅地を造成し、道路や公園を整備し、家や建物を造る。そこまではいい。別に悪いことなんかではない。

問題はその先だ。室内で暑さ・寒さを凌ごうと冷暖房装置を部屋ごとに取り付ける。その室外機から噴き出る〝熱気〟。個人の住宅など知れたものだろうが、積り積もれば…。

かくして、かつては小川のせせらぎや木陰で涼を味わえていた田舎も、都会と変わらぬ〝猛暑〟に苛まれるようになった。

尾籠(びろう)な例えで恐縮だが、自分たちがひりだした「屁の臭さ」を、汗をかきながら嗅いでいるようなもの。その汗が環境破壊の「冷や汗」に変わらねばいいが…。