2013/09/14

裏表なしで接しよう!!…世界が相手の「おもてなし」

「お・も・て・な・し」という言葉が最近、にわかに注目を集めている。きっかけを作ったのは、美形キャスターとして呼び声も高い、あの滝川クリステルさん(35)だ。

今月8日早朝、ブエノスアイレスで開かれたIOC総会で、「2020年・東京オリンピック開催」を訴える日本チームの一員としてプレゼンテーションに立った滝川さんはにこやかな表情で、左手を使ってその5文字を区切り読みしながら、その後に合掌のパフォーマンスもやってのけた(言語はフランス語)。

振り返ってみると、フジテレビ時代の滝川さんの〝売り〟は、斜に構えてニュース原稿を読み上げるスタイルだった。それが今回は意表をついた〝正面突破〟。拍手喝采である。

ところで、「おもてなし」とは一体どういう意味なのか?広辞苑を四版、六版と続けて引いてみるが、見当たらない。おかしい?

仕方がないのでネットで検索。すると、何のことはない、「もてなし」に丁寧語(接頭辞)の「お」が付いているだけのいとも簡単な話であった。

英訳すると、通常は「ホスピタリティ」が充てられるそうだ。しかし、日本語の場合はさらに〝奥〟が深いらしく、「前橋市にはその真髄を教える専門学校まである」と、12日夜のNHK『ニュースウォッチ9』は特集を組んでいた。

さて、我が古里における「おもてなし」の実態やいかに?世界ジオパークの再認定も正式に決まり、原城跡が世界遺産の候補地に選ばれるのも時間の問題であろう(早ければ13日にも!?)。

改めて言うまでもないが、ジオパークや世界遺産を目指して近い将来、多くの観光客が押し寄せてくる事態は容易に想像される。

さてその時、これまでのような〝接客態度〟でいいものだろうか?ここは一つ、官民を問わず、深く考え、前向きに対処することが大事だ。

もっと言うなら、「おもてなし」の精神はひとり観光事業のみに求められるものではない。業種を問わず、老若男女すべての地域住民が持ち、それこそ〝裏も表もなく〟実践しないといけないものだ。

海があって、山があって、温泉や湧水が湧いていて、食材も豊富にある。だからと言って、他所から来る人々は絶対にそれだけでは満足しない。

「ようこそ島原半島へ!」の心からの歓迎とともに、滞在の期間中、あるいは帰ってからでも、「また是非訪れたい」「友人にも教えてあげよう」などとお客様を感動させることが出来なければ、我々の「おもてなし作戦」は失敗である。

いよいよ来年は長崎国体。7年後の東京オリンピックに向けて、世界が相手の「おもてなしレース」はすでに始まっている、といっても過言ではない。