免許切り替えを前に…怪しげな夜中のチャイム
運転免許証更新の知らせを受けてひと月余り。写真は用意しているものの、いまだ手続きを済ませていない。
誰しもそうであろうが、何となく警察の門はくぐり難いもの。出来得ることなら係わりたくない、と思われているのでは…。
ところが、市民感覚とは勝手なもの。何か〝困った事〟が起きると、真っ先に思い浮かべる相談先は警察である。
もっとも最近では、被害届けを出そうにも、まともに取り扱ってくれなかったが故に、悲惨な事件にまでつながってしまった事例も幾つかあるようだ。
私事で恐縮だが、半月ほど前、島原警察署を訪ねた。ご多分にもれず、我が家にとって〝困った事〟が発生したからだ。
それは、ある夜のこと―。さんざんテレビを観た挙げ句に、傍らの読みさしの本を読んでしまおうと深更まで居間で起きていた矢先に起きた。
「ピンポーン♪」「ピンポーン♪」…と、来客を告げるチャイムが怪しげに4回も鳴ったのだ。音からすると、中庭にある裏玄関の方だったから、まずはそちら方をと、ガラス戸越しに確認したが、誰もいない。
ひょっとして何かの聞き違いで、通りに面した表玄関かも…。恐る恐る開き戸をあけてみたが、人影も何も見当たらない。何せ真夜中である。
では、一体誰が?怪訝な思いで居間に戻ったら、母と家人が「なぁ~ん一体、今のチャイムは?裏玄関の音やったとん」と、眠そうな目をこすりながら起きてきた。
「アンタ男やろ!外に出てその辺ば見てこんね」との命を下されたので、熊野古道逍遥の折に仕入れてきたスギの杖を携えて、自宅周りをウロウロ。
が、痕跡のようなものは何もない。これはもう完全なるミステリーだ!ただ、その晩は気色が悪くて寝室に戻らず、裏玄関に近い応接間のソファで寝た。
一夜明けて、再び周辺を捜索してみたが、特段変わった様子は何もない。ワザワザ中庭に入ってまでイタズラをするとも思えないし…。しかし、今の世の中、物騒だから…。
「そうだ、警察に行こう!」ということで、生活安全課に事の次第を詳細に申し上げた。担当の方は「今後も何かあったら遠慮せず110番へ」と親切に対応して下さった。
一方、自衛策として、懇意にしている電気屋さんに頼んで、センサー式のサーチライトを2カ所に設置してもらった。
幸い、その後は何も起きずに過ごしていたら、今度は昼間に弱々しい響きで「ピンポーン♪」「ピンポーン♪」。たまたま母と一緒に現場近くにいたので、単なる機器の老朽化による誤作動であることが判った。
島原署の方には、とんだご迷惑をかけてしまったようだ。
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