2013/09/28

人生いつからだって…感謝の心で日々を送ろう

さすがに今朝は日課(?)の草取りが出来なかった。昨日から県外に出張しているからだ。

それでもほぼ同じ時間帯に目が覚めるのは草取りの〝功徳くどく〟に違いない。感謝の気持ちを込めて、ホテルの窓から射し込んでくる柔らかな秋の陽光に手を合わせた。

さて、功徳と言えば、他ならぬ仏教用語である。その仏教界の大御所であった酒井雄哉ゆうさいさんが去る23日、87歳で亡くなった。天台宗総本山・比叡山延暦寺の中でも最も位の高い「大阿闍梨」(だいあじゃり)の称号を持たれていた方だ。

酒井さんを一躍有名ならしめたのは二度にわたる「千日回峰」(不眠・断食を伴う荒行)の達成。修行のために歩く距離は地球一周分にも相当する約4万キロだとか。

それだけでも驚いてしまうが、54歳と60歳という〝老境〟での飽くなきチャレンジ精神には、まったくもって脱帽だ。

師は多くの著作をのこされている。筆者も一冊(題名失念)だけ読ませていただいた記憶がある。随分と日が経っているので中身のことはよく覚えていないが、若い頃は相当な〝暴れん坊〟だったようなことが赤裸々に書かれていた。

読後、思ったのはこういうことだ。「大阿闍梨という偉いお坊様でも初めから立派だったわけではない。人生いつからだってやり直せるんだ!」と。つまり「生きる勇気」を授かった、というわけだ。

しかしながら、いかんせん凡人の身の悲しさ。時にそうした有難い教えのことをすっかり忘れてしまって、ふがいないことを続けざまに為してしまっている自分がいま、現実ここにいる。嗚呼…。

   ※    ※   

先日、101回目の島原倫理法人会モーニングセミナーに出席した。講師は崇台寺前住職の安藤光宣さん。愚息3人が空手道場でお世話になった恩師でもあり、何と言っても浄土宗の同門でもある。

安藤さんのお話を伺って驚いたのは、昨今の世の中の、心の乱れぶり。何と、仏壇のない家が7割もあるのだそうだ。

また、「直葬じきそう」という言葉も初めて聞いた。葬儀などは一切行わず、すぐにご遺体を火葬場に運び込むものだとか。その比率が都心部ではすでに2割に達している、という。

何という情けないことだろう。「日本人はついにここまで堕落したか…」などと筆者ごときが嘆いたところで何の解決策にもならないことは判り切っている。

しかし一方で、心のどこかで「自浄作用」がいずれ働くはず、それが日本人だ、という期待を抱いていないわけでもない。

はて、凡人の一人として何を為すべきか。せめては日々、仏壇に拝み、「いただきます」「ごちそうさま」「ありがとう」…といった感謝の言葉を心から述べることにしよう。