2013/10/20

秋桜はメキシコ生まれ…間もなく「霜降」の季節

「季節のない街に生まれ/風のない丘に育ち/夢のない家を出て/愛のない人にあう…♪」(いずみやしげる作詞・作曲『春夏秋冬』―。

最近では歌手と言うよりむしろ、役者としての存在感を増しているいずみやさんだが、まだ島原市の「観光特別大使」をなさって下さっているのだろうか。そんな素朴な疑問をぼんやりと想い浮かべている。

伊豆大島に甚大な被害をもたらした台風26号の襲来(16日)を機に、島原地方も急速に冷え込みが増してきたように思うが、いかがだろう?

如実に感じるのは早朝の一時。これまでなら半ズボン&Tシャツ姿で家やその周辺をうろついていたが、さすがに今朝ほどは肌寒さを覚え、急きょ長袖シャツをはおった。

旧暦の「二十四節気」に従うと、間もなく「霜降」(そうこう)を迎えるのだそうだ。新暦で言うと、来週の23日頃だとか…。

その意味は読んで字の如く、段々と冬が近づいてきて程なく「霜が降りる」と。その霜のおかげで、山々の紅葉がさらに鮮やかさを増す。何とも風雅な筋立てではないか!

その紅葉の話とは離れるが、資生堂会長の福原義春さんが著書『季節を生きる』(毎日新聞社)の中で、「ピンクのコスモスが好きだ」と述べられている。その中に、福原さんが蘊蓄(うんちく)を傾けられている一節がある。少し長いが、そのまま引く―。

「遠く万葉集の時代に山上憶良によって詠まれた秋の七草には、今では見かけなくなった花や馴染みの少ない花が入っているので、昭和になって新・秋の七草を選ぼうとする試みがあった」

「昭和の新・秋の七草にはトップに菊、次にコスモスが来るのだそうだ。メキシコ生まれのコスモスはもうすっかり日本の花になっている」。

筆者個人としては、「昭和バージョン」が定着しないで良かったと思うが、漢字で「秋桜」と書くコスモスがメキシコ生まれだったとは驚きだ。

メキシコと言えば「テキーラ」(竜舌蘭から造られる蒸留酒)。お国柄のイメージはどこまでも明るく、そして情熱的である。

一方、日本におけるコスモスのそれは、どちらかと言えば「楚々」「控え目」である。やはり所が変われば、印象も変わるのか…。それとも、さだまさしさん&山口百恵さんの影響?

まぁ何はともあれ、この秋、島原にもコスモスの新名所が誕生した(下折橋・芝桜公園の隣接地)。植栽されているのは先輩格の白木峰高原を遥かに凌ぐ65万本。

このところ不義理をして足立会長さんにも長らくお会いしていないが、お元気だろうか…。そんなこんなを想いながら一息つこうと近くの自販機へ。まだ「ホット」の商品はない。季節の変わり目か。