2013/10/25

水に流せるものか!?…阪急阪神ともあろうものが…

恥ずかしながら、まずは〝訂正〟から―。昨報の中で「連城」とすべきところを「蓮城」と2カ所、誤表記していました。

幸い、見出しは間違っていなかったので、黙っていればバレなかったかも知れない…。だが、NHKの全国ニュースでも紹介された「島原城レンコン掘り大会」の主催者の一人でもあるMM氏のモットーは「正直が一番」。ここは一つそれにあやかって…。

ところで「正直云々」で言えば、すぐに思い浮かぶのは、数日前からテレビ&新聞が盛んに取り上げている「阪急阪神ホテルズ」のコンプライアンス(法令順守)の問題であろう。

「阪急」「阪神」は関西を代表する名門企業。ともに私鉄経営のかたわら、デパートやホテル事業等々にも進出するなど、その知名度は全国でも有数のはずである。

しかし、規制緩和の波に乗って続々と押し寄せてくる海外資本などとの対抗上、両グループはいち早く決断し、〝資本提携〟に踏み切った。2007年のことだった。

持株会社の名称は、双方の頭文字である「H」から取って「エイチ・ツー・オー・リテイリング㈱」とした。

そこまでは何の問題もない。むしろ、長年の伝統やしがらみを断ち切って、よくぞ〝新体制〟を作り上げたものだ、と拍手を送りたいくらいだった。

九州でも、新幹線鹿児島ルートの開設に合わせて、新博多駅ビルが完成(2011年)。主要テナントの阪急百貨店は今も連日、多くの買い物客を集めている。

今回、問題となっているのはそうした百貨店や旅行業ではない。球団経営とも無関係なホテルやレストランなどの飲食部門で、一言でいえば〝産地偽装〟である。

昨今のグルメブームを逆手に取って、通常ではなかなか手に入らない食材を「○○産の△△ですよ」と銘打ち、8年近くも客の舌を誤魔化してきた、とか。

悪質である。それによって望外の利益を上げていたとしたら、本来の〝商道〟を大きく逸脱したもの、と断じざるを得ない。

東急など関東の私鉄経営者が〝鏡〟とした「沿線開発方式」を編み出した、泉下の小林一三翁(阪急東宝グループ創業者)は今頃どうされているだろう。きっと、大いに怒り狂っているはずだ。

報道によれば、同ホテルズは「返金に応じる」と言っているそうだが、どうやって「客か客でないか」を見分けるのだろう。社用族ならともかく、家族で食事に行くのにいちいち領収証を何年も保管している人などいるはずがない。単なるポーズか…。

いずれにしても、今回の〝失態〟はそのまま見過ごすわけにはいかない。何だって!「エイチ・ツー・オーだからそのまま〝水〟に流して…」てか?

そうは〝世間〟と言う問屋が卸すまい。