2013/11/10

感動の「フォーラム」…長崎県中小企業家同友会

毎年この時節になると、翌年の「元旦号」のことなどが時として頭をかすめ出す。一方で、セミナーやフォーラム、各種総会などが毎週のように開かれ、出ずっぱりの日々が続く。

そんな中、島原市内で開かれた会合に久方ぶりに出席した。長崎県中小企業家同友会が誘致してきた「第20回経営フォーラム」(8日夜)のことだ。

先週は殆ど島原にいず県外各地を巡っていたので、正直疲れ果てて出席そのものをためらっていたのだが、やっぱり「他人様の話」は聴いてみるものだ。

講師は地域ブランディングプロデューサーの肩書きを持つ、安藤竜二さん。顔写真をご覧になっても分かるように、なかなか今風のイケメンである。

失礼ながら、野暮用が重なって講演会の始まりに遅れてしまった。従って些か後ろめたい気分で会場入りしたわけだが、着席するなり何かしらオーラのようなものが漂っていることにハタと気付いた。

巧く説明できないが、「違う!」のである。そして、ものの10分も経たないうちにすっかりその〝話術〟にはまり、ひとりでにペンを取り出し、必死でメモを走らせている自分がいた。

話の内容は盛り沢山で全てを要約することはとても不可能だが、まずもって断言できるのは安藤さんは紛れもない〝実践の人〟である、ということだ。

ややもすると、この手のフォーラムの講師は経歴だけがやけに立派で「それはちょっと違うかも…」と思うことも度々だが、安藤さんの言葉には〝確かな力〟が溢れていた。

いずれか機会を見て〝紙上再録〟にも挑んでみたいが、1時間を超える講演の中で、最もシンプルかつすぐにでも試みることが出来る提案話を1つ―。

「自分たちの会社を100字以内で説明せよ」。「自分たちの会社の強みを75字以内で3つ挙げよ」。「自分たちの会社が伝えたいことは何か」。「自分たちの会社が続いている理由は何か」。

以上の4項目を社員に問い掛けてみて、どんな結果が出るか?社員間で考え方の違いがあるのは当然で、その意見のくい違いをまとめていくのが「社長の仕事」というわけだ。

アイデア、行動力、統率力などといったリーダーとしての〝条件〟をすべて満たしている安藤さんだが、さらに驚くべきは数年前から白血病とも闘っている〝病人〟でもあること。

終始絶えることのないその笑顔に〝凄み〟を感じた聴衆も多かったはずだ。いやー驚きました。そして大いに感動しました。