下着について考える…「おもてなしブラ」まで
〝性〟に目覚め始めた頃、必死に岩波版の国語辞書をめくっていた思春期。その多くは「サ行」にあり、独り妄想の世界に浸っていた。
もうそんな欲望のカケラもない齢に到達したと言うのに、なぜ唐突にこんな話を持ち出したのか?記憶を蘇えらせてくれたのは、29日付けの長崎新聞(6面)だ。
読むと同時に、思わず吹き出してしまった。「サイドライン」というタイトルの囲み記事で、女性用下着大手のトリンプが「『おもてなしの心』表現ブラ」(非売品)を公開した、と紹介している。
今さら説明も要すまいが、「ブラ」とは「ブラジャー」のこと。それがフランス語であることは、その当時の自発的な「辞書引き学習」でしっかりと頭に叩き込んでいる。
さてさて、「おもてなし」と言えば、例の滝川クリステルさんのオリンピック誘致パフォーマンスの中で飛び出し、今年の「流行語大賞」の有力候補の1つにも選ばれている。
同紙を購読していない人もおられると思うので、少しだけ抜粋させていただこう。とにかく、笑えますから!!
〈全面左右に「真」「心」の文字をあしらった。胸の形を整えるパッドは小物が入るポーチになっており、中に客をもてなすおしぼり用タオルと折り畳めるコップが入っている〉
〈パーツを分解することも可能で、背中の留め具の役割を果たす手袋の中に全てを収めると「合掌」した形に見えるという〉
どうです、面白かでしょが?〝遊び心〟もここまでくれば、逆に「大したものだ!」と感服してしまいますよね。でもこんなブラ、一体誰が着けるんでしょう?
ブラの話で言えば、10年ほど前に「ヌ―ブラ」というシリコン製品が売り出されて、ひとしきり話題を呼んだことがあった。こちらは乳がん患者向けに開発されたれっきとした医療用具の一種で、特許まで取得している、とか。
また、一時期は「男性用ブラジャー」まで発売され、筆者のような〝デブ男君〟が標的とされたこともあったが、同性愛者の間では今でも命脈を保っているそうだ。
もうここまでくると、「たかがブラジャー、されどブラジャー」である。さすがに、文化(≒エスプリ)の香り高い〝おフランス〟発祥だけのことはある!?
事のついでだから、同じ下着類の「パンツ」について―。以前、取引先の人と話をしている中で、見事なまでに論議が分かれたことがある。
それは―。ランニングなどの肌着をパンツの中に入れ込むか否か。筆者は今でも入れ込む派だが、「それでは汚いだろう」と反駁されたのだ。
まあ、好みの問題だろうから、どっちでもいいのだろうが、そうしないことには何かしらスースーしたような感じで落ち着かないのである。
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